はじめに
先日、大阪〜神戸の書店を回って「技術記事を書く技術」の直筆ポップを置かせてもらいました。
東京の書店にも直筆ポップを置かせてもらっています。
直筆ポップを置いている書店は以下の通りです。
<東京>
- ジュンク堂書店 池袋本店
- 三省堂書店 有楽町店
- ブックファースト新宿店
- 丸善 丸の内本店
- 書泉ブックタワー
- 紀伊國屋書店 新宿本店
<大阪・神戸>
- MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店
- 紀伊國屋書店 梅田本店
- ジュンク堂書店 大阪本店
- ジュンク堂書店 難波店
- ジュンク堂書店 三宮店
上記の書店にお立ち寄りの際は、ぜひ僕の直筆ポップをチェックしてみてください!
「技術記事を書く技術」を見つける技術?
ちなみに、実際に書店を回って思ったのですが、「技術記事を書く技術」は、
- これまでにないジャンルの本なので、どの棚にあるか予想しづらい
- 表紙がシンプル(悪くいえば地味)なので、他の書籍と並んだときに埋もれやすい
という問題(?)があり、自力で見つけるのにちょっと苦労しました。
この直筆ポップが置いてあるお店は、多少「技術記事を書く技術」を見つけやすくなるかもしれません。
直筆ポップがあるとき〜(左)ないとき〜(右)もし自力で見つけられなかった場合は、書店員さんをつかまえて「すいません、『技術記事を書く技術』はどこにありますか?」と大きな声で聞いてください!!
直筆ポップの作り方
ところで、本を書いた人なら一度は作ってみたい(?)著者直筆の書店用ポップですが、いざ作ろうとすると「どうやって作ればいいの!?」と困ってしまうかもしれません。
そこで今回のエントリでは、僕がどんな流れで直筆ポップの作ったのかを説明しておきます。
1. 準備
まず、編集者の人に「直筆ポップを作ってみたいんですけど」と相談しましょう。
ほとんどの場合、「いいですね、やりましょう!」と乗ってきてくれるはずです。
直筆ポップを書く厚手の台紙は、編集者の人が自宅まで送ってきてくれると思います。
台紙が届いたら、多めにカラーコピーしておきましょう。
これは何度もデザイン案を下書きできるようにするためです。
次に、ポップを書くための色ペンを用意しましょう。
今回は100均で太めと細め、2種類の色ペンを買ってきました。

2. 情報収集する
「書籍 直筆ポップ」「技術書 著者直筆POP」のようなキーワードでネットを画像検索してみましょう。
また、「ジュンク堂書店池袋本店 PC書担当」さんは、直筆ポップの写真をXにたくさん載せてくれているので、過去事例を探すのに大変役立ちます。
"from:junkudo_ike_pc 直筆POP"のXの検索結果

これらの事例を見ながら、なんとなく自分の中のイメージを膨らませます。
3. 生成AIに叩き台を考えてもらう(?)
上のような情報収集だけで、すぐに「よし、こんなポップを作ろう!」とアイデアが出てきた場合はいいですが、僕のようなデザイン素人にはそんな芸当はできません。
というわけで、とりあえず生成AIに叩き台を作ってもらうことにします。
今回はこんなプロンプトをGeminiに打ち込んでみました。
以下の本を執筆した。書店に置いてもらう著者直筆POPの叩き台画像を考えてほしい。
https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798177045
Geminiが提案してきた直筆ポップのデザイン案はこんな感じでした。

……うーん、なんかイマイチですね😅
やっぱり自分でじっくり考えることにします。
4. 下書きを(山ほど)書いてみる
直筆ポップを作るためのインプットはこれぐらいにして、ここからは実際にデザインを考えましょう。
まずはポップを見た人に何を伝えたいかを考えて、ポップに載せるキーワードを検討します。
そして、事前に用意しておいた台紙のコピーに、あれこれ文字を書いていきましょう。
文字を書くのは台紙のコピーなので、いくら失敗しても大丈夫です。
コピーがなくなったら、さらに追加で台紙のコピーを取ってください。
こんなふうにあれやこれやと下書きをいくつも作り、最終的に以下の2案に絞りました。
案1:メッセージを大きく打ち出すパターン

案2:「あるある」なお悩みに訴えかけるパターン

5. 編集者の人と相談してデザインを選ぶ
どっちがいいのかは編集者の人の意見も参考にした方がいいと思ったので、編集の大嶋さんにどっちがいいですか?と尋ねてみました。
大嶋さんからは次のような返事が返ってきました。
下書きありがとうございます。
2つのパターン、どちらも内容がしっかり伝わってきて、とてもよいと思いました。
個人的には、メッセージを大きく打ち出している1つ目のパターンが、今回のPOPにはより合っているように感じました。
POPは、書店の店頭でひと目でメッセージが伝わることや、今の時流に合った言葉を載せやすいことが強みだと思うので、今回であれば 「AI時代だからこそ、人が書く技術記事に価値がある」 という点を前面に出せるとよさそうです。
なるほどなるほど。
僕もそれでいいかな、と思ったので、今回は「案1:メッセージを大きく打ち出すパターン」を採用することにしました!
6. パソコン上で文字の大きさや配置を検討する
次は文字の大きさや配置を検討します。
これもコピーした台紙の上で考えてもいいのですが、より細かい試行錯誤がしやすいように、パソコンの画面上で検討することにしました。
具体的には台紙をスキャンして画像化し、それをスライド作成ツールのKeynoteに取り込んで、その上に文字を書き込んでいきました。

7. 配色を検討する
このままだと白黒の味気ないポップになってしまうので、これまたGeminiに配色の叩き台を考えてもらうことにしました。
添付画像のような書店用直筆POPを作成した。色ペンで魅力的な彩色を入れたい。
Geminiが提案してきた配色案はこんな感じでした。

うーん、いいような、そうでもないような……。
いや、やっぱり微妙ですね。
というわけで、配色に関しても実際に色ペンを使い、コピーした台紙上に何度も下書きを繰り返しました。
8. 直筆ポップのデザインが完成!
あーでもない、こーでもない、と言いながら下書きを繰り返した結果、直筆ポップのデザインは以下のようになりました。

個人的なこだわりポイントを以下にまとめます。

- 「あなたの言葉で 技術記事を書こう!」これが一番伝えたいメッセージなので、黒ペンで目立つように書いています。さらに目立つよう、アクセントカラーの赤で下線も入れています。ちなみに「あなたの言葉で」は細ペンで、「技術記事を書こう!」は太ペンで書いているのですが、ここはそこまで違いがわからないですね。
- 「15年分の知見とノウハウをすべて詰め込みました。」はサブメッセージです。「(私が)詰め込みました」は著者にしか書けないメッセージなので、これがあることで著者の直筆ポップだと伝わりやすくなるはずです。黒ペンで書くとごちゃごちゃしたので、黒ほど前に出てこない青文字で書いています。また、「15年分」の下には強調と彩りの目的で黄色で下線を入れました。
- 文字で書籍名を入れるとそれもごちゃごちゃしたので、代わりに表紙の縮小コピーを貼り付けました。また最悪、何かの事故で直筆ポップと書籍が離ればなれになったとしても、表紙画像があれば、これは「技術記事を書く技術」の直筆ポップであることがすぐにわかるはずです。
- メインメッセージ=黒、サブメッセージ=青、なので、区別しやすくするように著者名はまた黒に戻しました。「伊藤淳一」だけでも良かったのですが、それだと空白ができてしまうので、あたかもその日に著者がやってきたかのように見える日付を入れることにしました。(関西の書店には実際に行ってますけどね)
- 「AI時代だからこそ」は、実はオマケワードです。「右上に空白ができるので何か埋めたいな」と思い、編集の大嶋さんのフィードバックにあった 「AI時代だからこそ、人が書く技術記事に価値がある」というコメントから「AI時代だからこそ」を拝借しました。表紙のアクセントカラーに合わせて文字色は緑にし、吹き出しは台紙の縁(ふち)の色に合わせて水色にしました。
- 一枚一枚手書きで書いてますよ、ということを証明するために、各ポップには書店名を入れています。ただし、書店名が目立つとやはり全体がごちゃごちゃするので、あえて(一番目立ちにくい)ボールペンで書店名を書きました。
9. がんばって量産する
デザインが完成したら、あとは同じポップを量産していきます。
といってもこれは「著者の手書き」であることがポップの価値になるので、機械を使ったコピーではなく、がんばって自分の手で書き書きします。
東京の書店用に6枚、大阪・神戸の書店用に5枚作ったので、結構大変でした!!💦
東京用のポップ 6枚
大阪・神戸用のポップ 5枚ちなみに台紙に貼り付けている表紙画像は、東京用は翔泳社さんに用意してもらい、大阪・神戸用は僕が自分で作りました。
表紙画像を印刷する→カッターで切り取る→糊で貼り付ける、という作業も地味に大変でしたね😅
10. 書店に配布する
最後に、直筆ポップを各書店に配布したら、ミッションコンプリートです。
東京方面は、兵庫県民である僕はぱっと行けないので、翔泳社さんに郵送して書店に配布してもらいました。
大阪・神戸の書店は、事前に翔泳社さんから各書店に連絡を入れてもらった上で、僕が書店に足を運んでポップを置いてもらう、という手順で配布しました。
紀伊國屋書店 梅田本店にてちなみにポップを置いてもらう際に、書店員さんから「これ、たくさん売れてるので、追加発注かけてるんですよ〜」みたいな話を聞いたときは、とても嬉しかったです!
まとめ
というわけで、このエントリでは拙著「技術記事を書く技術」の書店用直筆ポップの作り方を解説してみました。
我流なのでもっとスマートなやり方もあるかもしれませんが、こういう泥臭いやり方のほうが、より「著者のぬくもり」を感じやすいんじゃないでしょうか?(と、勝手に思っています)
もし「著者の直筆ポップ」を作ろうとしている人がいたら、今回のエントリをぜひ参考にしてみてください。
そして、直筆ポップを作る予定はなくとも、「技術記事を書いてみたいな」「もっと上手に書きたいな」と思っている人は、ぜひぜひ、「技術記事を書く技術」を手に取ってみてください。
きっとみなさんの悩みを解決するヒントがたくさん詰まっているはずです!よろしくお願いします!!