Fashion

パリから逆輸入 プント ドーロの「幸せ触感ニット」

噂の名品

Vol.1

2023.10.18

世界的なラグジュアリーブランドから日常を支えるブランドまで、嗜好、予算や用途に応じて無数のファッションアイテムが存在します。何を選び、どう着こなすのか、それこそがおしゃれの醍醐味ですが「いろいろあり過ぎて迷ってしまう」「年齢を重ね、スタイルが決まりにくくなった」「高級ブランドの服には手が出ない」……ということも。本連載はそんな悩みを持つ大人の女性に上質な情報をお届けします。




ファッションエディターの古泉洋子と申します。長くこの世界で培った審美眼で、取材活動のなかで目に留まったニッチな本物を厳選紹介していきます。例えば小規模ながらじわじわと人気を呼んでいるもの、画期的な発想でつくられているものなど、読めば実際手にしたくなる名品たち。ネームバリューや新しさだけでなく、つくり手のこだわりを理解し、愛着を持ってほしい。ファッション界でも二極化が進むいま、こういった逸品は日の目を見ることが少ない現状ですが、実はセンスのいい人たちがひそかに愛用しているということも付け加えておきます。

意識が変化、「心が満たされる服」を求める時代に

おしゃれを思う存分楽しめる季節というのに、例年に比べ、暑さが長引いた今年は秋のファッションになかなか移行できず、もどかしい思いをしました。ようやく秋本番となり、真っ先に手にしたいのはニットです。働き方の変化に伴い、ワークスタイルもカジュアル化する昨今ですが、ニットウエアはリラックスした印象のため、細い糸で編まれた比較的薄手のハイゲージニットや布帛(ふはく)見えするスムースなミラノリブなど、かなり厳選しないと職種や肩書によっては仕事服には正直心もとないところ。

薄手の上品なニットはオンタイムに。シルクとウールをブレンドした、やや透け感のあるリブニットカーディガン。アシンメトリーな配色がモダン。カーディガン3万9600円 エコレザースカート3万6300円/以上プント ドーロ

一方、この秋、多くのファッションメディアで取り上げられ話題となっているのが「クワイエット ラグジュアリー」というワード。これはロゴなどでブランドを誇示するのではなく、上質なシンプル服で控えめに贅沢(ぜいたく)をまとうスタイルです。

過去にも近いスタイルとしてノームコアやミニマリズムなどのトレンドが世間を賑(にぎ)わせてきましたが、「クワイエット ラグジュアリー」は根幹にある意識に変化が見られます。ファッション心理にはとかく、見えがつきものですが、他者にどう見えるかではなく、自分自身の心が満たされる服を求める本音が映し出されているように感じます。初回はそういった時代の流れもふまえ、幸福感を享受できる特別な肌触りのニットを紹介します。