特集 きしむ日中関係

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高市早苗首相の台湾有事を巡る答弁をきっかけに中国との関係がきしんでいます。日本と中国の政府の動き、民間への影響を多角的に伝えます。

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なぜ日中関係が悪化?

きしむ日中関係

なぜ、日中関係は急速に悪化したのか

 きっかけとなったのは、高市早苗首相の国会答弁でした。

 2025年11月7日の衆院予算委員会で、首相は台湾有事の対応について、集団的自衛権の行使も可能となる「存立危機事態」になり得るとの認識を示しました。さらに「(中国が)戦艦を使って、武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になり得る」と具体的に言及しました。

 「存立危機事態になり得る」という言葉は、自衛隊が米軍とともに台湾の防衛のために出動する可能性を意味しています。台湾問題を「内政問題」と位置づける中国は激しく反発し、首相の答弁撤回を求めました。日本政府は「従来の政府の立場を変えるものではない」として拒否しています。

日中首脳会談を前に中国の習近平国家主席(右)と握手を交わす高市早苗首相=韓国・慶州で2025年10月31日(代表撮影・共同)
日中首脳会談を前に中国の習近平国家主席(右)と握手を交わす高市早苗首相=韓国・慶州で2025年10月31日(代表撮影・共同)

 さらに駐大阪中国総領事が「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇(ちゅうちょ)もなく斬ってやるしかない」とXに投稿(後に削除)し、日本では総領事の国外追放を求める声が出ました。

 11月18日には外務省のアジア大洋州局長が訪中し、局長協議で事態の収拾を図りました。しかし、中国外務省のアジア局長は両手をポケットに突っ込んだまま対応する姿をあえてメディアに公開し、答弁撤回を巡る協議も平行線をたどりました。

 事態打開の糸口が見えない中、中国政府は日本産水産物の事実上の輸入停止や日本への渡航自粛要請に踏み切り、政治的な対立だけでなく、経済や観光に影響が広がっています。

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