特集
きしむ日中関係
高市早苗首相の台湾有事を巡る答弁をきっかけに中国との関係がきしんでいます。日本と中国の政府の動き、民間への影響を多角的に伝えます。
-
中東情勢、習氏のダメージ 識者語るGゼロ時代のニューノーマル
2026/4/22 14:00インタビュー -
中国、東シナ海に23基目の構造物を設置 外務省は強く抗議
2026/4/21 08:15 -
中国外務省「自衛隊の艦艇が台湾海峡に進入」 日本に抗議と表明
2026/4/17 18:45 -
官房副長官「異なる立場の者を威圧」と批判 中国の古屋氏制裁
2026/3/30 18:19 -
「宣戦布告に等しい」 自衛官の大使館侵入、中国のSNSでも衝撃
2026/3/25 13:07 -
計算違いが連続した日本 米国とイランに板挟み、苦渋の決断も
2026/3/21 19:59深掘り -
高市首相、対中関係は「対話オープンにしている」 日米首脳会談
2026/3/20 01:47 -
中国側、高市首相答弁「国際社会の信頼得られない」米報告書受け
2026/3/20 01:01
なぜ、日中関係は急速に悪化したのか
きっかけとなったのは、高市早苗首相の国会答弁でした。
2025年11月7日の衆院予算委員会で、首相は台湾有事の対応について、集団的自衛権の行使も可能となる「存立危機事態」になり得るとの認識を示しました。さらに「(中国が)戦艦を使って、武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になり得る」と具体的に言及しました。
「存立危機事態になり得る」という言葉は、自衛隊が米軍とともに台湾の防衛のために出動する可能性を意味しています。台湾問題を「内政問題」と位置づける中国は激しく反発し、首相の答弁撤回を求めました。日本政府は「従来の政府の立場を変えるものではない」として拒否しています。
さらに駐大阪中国総領事が「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇(ちゅうちょ)もなく斬ってやるしかない」とXに投稿(後に削除)し、日本では総領事の国外追放を求める声が出ました。
11月18日には外務省のアジア大洋州局長が訪中し、局長協議で事態の収拾を図りました。しかし、中国外務省のアジア局長は両手をポケットに突っ込んだまま対応する姿をあえてメディアに公開し、答弁撤回を巡る協議も平行線をたどりました。
事態打開の糸口が見えない中、中国政府は日本産水産物の事実上の輸入停止や日本への渡航自粛要請に踏み切り、政治的な対立だけでなく、経済や観光に影響が広がっています。
もっと知りたい
連載
新着記事
-
中東情勢、習氏のダメージ 識者語るGゼロ時代のニューノーマル
2026/4/22 14:00インタビュー 3789文字世界情勢が混乱する中、中国の動向が気になる。米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦から始まった石油の供給不安は、中国にどう響いているか。5月に迫る米中首脳会談の行方は。冷え込む日中関係に光は差すか。中国の経済や社会事情に詳しい東京財団の柯隆・主席研究員に聞いた。【聞き手・宇田川恵】 ◇「認知戦」習
-
中国、東シナ海に23基目の構造物を設置 外務省は強く抗議
2026/4/21 08:15 156文字外務省は20日、東シナ海の日中中間線の中国側海域で、中国が新たな構造物1基を設置する動きを確認したと発表した。外務省の金井正彰アジア大洋州局長は同日、一方的な開発行為だとして、在日中国大使館の施泳次席公使に強く抗議した。 同じ海域で確認された構造物は23基目。資源開発のための設備の土台とみられる。
-
中国外務省「自衛隊の艦艇が台湾海峡に進入」 日本に抗議と表明
2026/4/17 18:45 529文字中国外務省の郭嘉昆副報道局長は17日の記者会見で、「日本の自衛隊の艦艇が台湾海峡に進入し、中国軍が法に基づき処理した」と述べた。また、中国軍で台湾方面を管轄する東部戦区の報道官は、海上自衛隊の護衛艦「いかづち」が同日に台湾海峡を通過し、中国軍が「効果的な規制と統制を実施した」との談話を発表した。
-
官房副長官「異なる立場の者を威圧」と批判 中国の古屋氏制裁
2026/3/30 18:19 582文字中国外務省は30日、自民党の古屋圭司衆院議員に対し、入国禁止などの制裁を科すと発表した。古屋氏は台湾との関係を重視する超党派の議員連盟「日華議員懇談会」の会長。「反外国制裁法」に基づく措置で、即日実施される。 中国外務省は制裁の理由について「中国側の強い反対を顧みず何度も台湾へ足を運び、『台湾独立
-
「宣戦布告に等しい」 自衛官の大使館侵入、中国のSNSでも衝撃
2026/3/25 13:07 588文字東京都港区の在日中国大使館の敷地内に現役の幹部自衛官が侵入した事件は、中国の交流サイト(SNS)でも衝撃が広がり、反発とともに、日本での反中世論の高まりを懸念する声が相次いでいる。 中国の短文投稿サイト「微博」では、今回の事件が検索ランキングの上位に入るなど関心の高さが浮き彫りになった。投稿欄には
-
-
計算違いが連続した日本 米国とイランに板挟み、苦渋の決断も
2026/3/21 19:59深掘り 1833文字「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ。そのために私は諸外国に働きかけ、しっかり応援したい。今日、私はそれを伝えに来た」。国内外で「対米追随」「巧み」と賛否両論を呼んだ高市早苗首相の会談の冒頭発言。米国へ向かう政府専用機内で首相自身が4回推敲(すいこう)し、「特にこだわった部分」(首相周
-
高市首相、対中関係は「対話オープンにしている」 日米首脳会談
2026/3/20 01:47 185文字米国を訪問中の高市早苗首相は19日(日本時間20日)、首都ワシントンのホワイトハウスでトランプ米大統領と会談し、関係が冷え込む日中関係について「中国に対して対話はオープンにしている。冷静に対応している」と述べた。米中関係も含めて「地域の安定、世界のサプライチェーン(供給網)に貢献するものであること
-
中国側、高市首相答弁「国際社会の信頼得られない」米報告書受け
2026/3/20 01:01 288文字台湾有事が「存立危機事態」になり得るとした高市早苗首相の国会答弁に関し、米国家情報長官室の年次報告書が「重大な転換」と指摘したことを受け、中国外務省の林剣副報道局長は19日の記者会見で「日本側が『立場は変わっていない』という一言だけでごまかすことは難しく、国際社会の信頼を得ることはできない」と主張
-
高市首相の台湾発言は「重大な転換」 米情報当局が分析
2026/3/19 05:46 548文字米国家情報長官室は18日、米国の安全保障の脅威に関する年次報告書を公表した。台湾有事を「存立危機事態」になり得るとした高市早苗首相の国会答弁について、日本が集団的自衛権を行使する「法的正当性」になるとの見方を示し、「日本の現職首相にとって重大な転換だ」と指摘した。 日本政府は首相の答弁が政府の従来
-
木村拓哉さんの映画出演中止 日中関係悪化が影響 香港メディア
2026/3/9 07:30 623文字日中関係の悪化によるエンターテインメント分野への影響が収まる気配がない。 香港メディアは、俳優の木村拓哉さんの映画への出演が中止になったと報道。日本人アーティストの公演中止も相次いでいる。 香港紙「星島日報」(電子版)は6日、香港映画「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」の3作目に木村さん
-
-
「攻撃直ちに停止を」 中国外相、名指しで米国批判せず イラン情勢
2026/3/8 17:00 810文字中国の王毅外相兼共産党政治局員は8日、北京で全国人民代表大会(全人代=国会に相当)に合わせた記者会見を開いた。台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁以来、悪化する日中関係について「今後の行方は、日本の選択にかかっている」と強調。イラン情勢では、米・イスラエルによる攻撃の「即時停止」を求めつつ、名指し
-
日中関係の行方は「日本の選択次第」 中国の王毅外相
2026/3/8 12:49 264文字中国の王毅外相兼共産党政治局員は8日、北京で全国人民代表大会(全人代=国会)に合わせた記者会見を開いた。台湾有事を「存立危機事態になり得る」とした2025年11月の高市早苗首相の国会答弁以来、悪化している日中関係について「今後の行方は、日本の選択にかかっている」と強調した。 また、高市首相の答弁に
-
中国外相の「日本脅威論」は世界に響くか 日本が期待される役割
2026/3/7 16:17 1456文字中国の王毅外相が8日、全国人民代表大会(全人代)に合わせた恒例の記者会見に臨む。米中関係やイランへの軍事攻撃、ウクライナで続く戦争など課題は山積するが、注目点の一つは関係悪化に歯止めがかからない日中関係を巡る発言だ。これまでも王氏は「軍国主義の復活」に警鐘を鳴らす「日本脅威論」を唱えてきたが、果た
-
中国のレアアース対日禁輸リスト 「威圧」にとどまらない狙いとは
2026/3/4 15:30 1668文字中国政府は軍民両用品の輸出を禁止する日本の20の企業・団体のリストを2月24日に公表した。高市早苗首相が衆院選で大勝した後、習近平指導部はなぜ新たなカードを切ったのか。 中国商務省が、三菱重工業の子会社などが名を連ねる「禁輸リスト」を公表したのは春節(旧正月)の連休明けのタイミングだった。高市首相
-
関西の主要百貨店の2月売上高、5店が前年割れ 中国人客減少の影響
2026/3/2 18:40 465文字関西の主要百貨店が2日発表した2月の売上高(速報値)は、前年同月比で9店中5店が減収だった。中国の春節(旧正月)に伴う大型連休期間(2月15~23日)に該当し、高市早苗首相の「台湾有事」を巡る発言に反発した中国政府は国民に日本への渡航自粛を繰り返し呼びかけており、中国人観光客が減少した影響を受けた
-
-
日本、中国の20企業・団体への輸出禁止に抗議 「許容できない」
2026/2/24 14:17スクープ 306文字政府は24日、中国が同日付で日本の20の企業・団体に対し、レアアース(希土類)などの軍民両用品の輸出を禁止した措置に強く抗議し、撤回を要求した。外務省の金井正彰アジア大洋州局長が同日、在日中国大使館の施泳次席公使に「措置は許容できず、遺憾だ」と申し入れた上で、抗議した。 中国商務省は24日、日本の
-
中国、20の日本企業・団体へ軍民両用品を輸出禁止 リストを公表
2026/2/24 14:04 552文字中国商務省は24日、三菱重工業子会社の三菱造船など日本の20の企業・団体を輸出規制リストに掲載したと発表した。対象企業への軍民両用(デュアルユース)品目の輸出を禁止する。同日から適用し、進行中の取引についても直ちに中止するよう求めている。 中国政府は昨年11月の高市早苗首相の台湾有事を巡る発言など
-
中国外相の日本批判、欧米から「現実離れ」と冷ややかな評価も
2026/2/17 21:04 1213文字中国外交トップの王毅外相兼共産党政治局員がドイツで開かれたミュンヘン安全保障会議で高市早苗首相の台湾有事に関する国会答弁を批判した発言を巡り、日中両政府が応酬を続けている。発言を「不適切だ」として申し入れを行った日本側に対し、中国側も直ちに反論した。 ただ、現在の安全保障問題を協議する場での発言だ
-
中国大使館「全くの詭弁だ」 王毅外相発言巡る日本の申し入れに反発
2026/2/17 12:39 369文字在日本中国大使館報道官は16日、高市早苗首相の台湾有事を巡る答弁を批判した王毅外相の発言に対し、日本外務省が不適切として申し入れしたことについて「日本側は事実をねじ曲げており、全くの詭弁(きべん)だ。中国側は既に反論し、拒絶した」とする声明を発表した。 王氏は14日のミュンヘン安全保障会議で「日本
-
外務省、中国・王毅外相の発言「不適切」と指摘 台湾有事答弁巡り
2026/2/16 09:14 384文字外務省は15日夜、中国の王毅外相がドイツで開かれたミュンヘン安全保障会議で日本に対して不適切な発言をしたと指摘し、外交ルートで中国に厳正な申し入れをしたと発表した。 王氏は会議で、高市早苗首相の台湾有事を巡る答弁を批判し、「日本には台湾を侵略、植民地支配する野心が消えず、軍国主義を復活させようとす
-