はやぶさ2・津田雄一さんに聞く(上) 「石ころでこんなに喜べるとは思ってもみなかった」
毎日新聞
2020/12/30 14:00(最終更新 12/30 14:18)
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探査機はやぶさ2が地球へ届けたカプセルから、2度の小惑星リュウグウへの着陸で採取した真っ黒な石や砂粒がたっぷり見つかった。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の津田雄一・はやぶさ2プロジェクトマネジャー(45)は毎日新聞のウェブ会議システムを使ったインタビューに「画像を見た瞬間、『ワー! あったー!』と思わず立ち上がって喜んだ」と笑顔を見せた。試料を見た瞬間はどう感じたのか、1回目と2回目の着陸前の心境の違いなど、津田さんの本音に迫るインタビューを上下2回で紹介する。(上)は、カプセルの中を見たときの気持ちや、プロジェクトの「弱み」を中心に聞いた。【永山悦子/オピニオングループ】
中が見えずやきもき、「すぐに画像を送って」
――カプセルにどっさりと試料が入っていましたね。見たときの感想を教えてください。
◆すごかったですよね。びっくりしました。最初に試料が見えたのは2020年12月14日でした。試料が入っている容器の底に黒い砂がたまっているのが見えたのですが、「本当に入っていた!」とメンバーと喜びました。「これでサンプルリターン(他天体の試料を地球へ持ち帰る探査)ができたんだ」と感慨深いものでした。
さらに翌日(15日)には、容器のふたを開けることになり、私たちは開封作業をするクリーンルームの様子をモニターで見られる部屋で、その瞬間を待ちました。ところが、容器を写している画像が照明のせいかよく見えません。一方、開封作業をしていた白衣姿のメンバーがハイタッチやガッツポーズをして、記念写真を撮り始めたのです。「何が見えたんだろう」とやきもきしていると、中のメンバーから「すごく感動した。言葉が出ないほど」と電話が入りました。「すぐに画像を送っ…
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