運動会や受験勉強の夜食、小腹がすいた時――。人生のさまざまな場面で誰もが食べたことのあるおにぎりは日本人のソウルフードだ。だが国民1人当たりの年間のコメの消費量は減少の一途をたどり、コメ離れが止まらない。そんな中、SNS(ネット交流サービス)では動物をかたどったものや、世界のご当地食材を具に使ったものなど多彩なおにぎりの投稿が話題を集めている。
オモロイ関係できた
「おばあのおにぎりは武骨で、ぐっと握ってある。愛情がぎっしり詰まっている感じがする」。京都芸術大非常勤講師でフリーライターの大迫知信さん(38)=大阪府四條畷市=は、祖母が作る独創的なおにぎりの数々をインスタグラムに投稿してきた。イカ天スナックを貼り付けたり、ホタルイカを混ぜ込んだり、生ハムと梅干しを組み合わせたり。2011年からの約10年間で食べた数は7000個近くに上る。
大迫さんは大阪工業大大学院を修了後、電力会社に入社。ものを書く仕事がしたいと3年で辞め、11年春に27歳で京都造形芸術大(現・京都芸術大)文芸表現学科に入学した。周囲からは反対されたが、母方の祖母、松原文子さん(88)の「ご飯くらい作ったる」という一言に背中を押された。文子さん宅から自転車で2~3分の場所に住み、毎晩2人でご飯を食べた。帰宅する時に翌日の朝食と昼食用のおにぎりを持たせてくれた。
16年に京都造形芸術大の授業に芥川賞作家の津村記久子さんらと共にゲストで招かれた。帰りの電車内で津村さんに…
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