ゆったり九州山口

郷土食編 鮮魚が手に入る北九州の食文化 ぬか炊き、庶民の味 発酵熟成「床」のうまみ /宮崎

イワシのぬか炊き定食を持つ矢野さん
イワシのぬか炊き定食を持つ矢野さん

 かつて豊前国(ぶぜんのくに)と呼ばれた北九州市東部から大分県北部までの一帯に伝わる郷土料理が「ぬか炊き」だ。脂ののったプリプリのサバやイワシにほんのり香るぬか、山椒(さんしょう)の風味、唐辛子がピリッと利いた味わい。「ご飯のお供」はもちろん酒のつまみにももってこいだ。

 ぬか炊きは、ぬか床(ぬかみそ)で青魚などを煮詰めた家庭料理だ。ぬか床の歴史は古い。北九州市立いのちのたび博物館の元学芸員、永尾正剛(まさのり)さん(76)によると、鎌倉時代の随筆「徒然草(つれづれぐさ)」にぬか床を意味する「糂汰瓶(じんだがめ)」の記述がある。

 初代小倉藩主の細川忠興が1626年、息子忠利に送った書状にぬか床を使った漬物の記述があるが、ぬか炊きの起源は定かではない。永尾さんは「ぬか床が庶民の生活に根付き、やがて新鮮な青魚が手に入る北九州で『ぬか炊き』という独自の食文化が生まれたのではないか」と話す。

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