連載

2脚2輪のドイツ日記

ベルリン支局・五十嵐朋子記者が車いすユーザーの夫との暮らしを通じ、ドイツと日本の違いや「共生」について考えます。

連載一覧

2脚2輪のドイツ日記

「車いすユーザーは先頭車両から」 ベルリンの地下鉄の乗り方とは

スロープを出してもらい、地下鉄に乗る夫の諏訪正晃(手前)=ベルリンで2024年6月24日午前7時30分、五十嵐朋子撮影
スロープを出してもらい、地下鉄に乗る夫の諏訪正晃(手前)=ベルリンで2024年6月24日午前7時30分、五十嵐朋子撮影

 電車に乗ったら、通路を挟んで隣に座っていた女性に「ティッシュ持ってる?」と聞かれた。「持ってるよ」と言って差し出すと、1枚取ってお礼を言われた。女性ははなをかんでいた。ささいな出来事だが面白かった。東京では、電車で知らない人にティッシュをもらおうと思う人は、ほとんどいないだろう。

 ベルリンの人は、知らない人にもどんどん話しかけてくる。私(記者、38歳)や車いすユーザーの夫、諏訪正晃(38)は、それを親切に感じることが多い。何かあるとすぐに助けてもらえるからだ。

 ベルリン支局・五十嵐朋子記者が障害者の夫との暮らしを通じ、ドイツと日本の違いや「共生」について考えます。
 今回が連載5回目。過去の記事はこちらです。)

 初めて2人で地下鉄に乗った時のことだ。日本では、改札で駅員に頼むとスロープを出してもらえるが、ベルリンの地下鉄は基本的に無人で改札もない。電車内で検札が行われるからだ。

 日本では、私が後ろから車いすを持ち上げるようにして押せば済むことが多いし、夫は電車の扉近くにある手すりをつかみ、車いすごと体を持ち上げて、自力で乗ることもできる。だからその日も、スロープなしで乗り込んだ。

 すると、居合わせた乗客が次々と何か言ってくる。よく聞くと「いちばん前から乗れ」と教えてくれていた。先頭車両で運…

この記事は有料記事です。

残り712文字(全文1265文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載

この記事の筆者

アクセスランキング

1時間
24時間
SNS

スポニチのアクセスランキング

1時間
24時間
1カ月