オーバーツーリズム「欧州ならばデモ」 観光客抑制や料金徴収必要
観光客が過度に集中することで地域や住民に悪影響を及ぼす「オーバーツーリズム」が全国各地で深刻化している。インバウンド(訪日外国人客)と住民のあつれきが、象徴例としてメディアなどで取り上げられていることも少なくない。世界有数の観光地であるスペイン・バルセロナの大学の教壇にも立つ北海道大大学院国際広報メディア・観光学院の石黒侑介准教授(観光地経営論)は「欧州ならばデモが起こっている」と指摘し、「観光客を増やすことばかりに目を向けるべきではない」と一石を投じる。【聞き手・谷口拓未】
――インバウンドは2024年に史上最多の3686万人余となりました。政府は30年に6000万人の目標を掲げていますが、国内各地でトラブルが起きています。
◆6000万人を目指すよりも2000万人なり3000万人なりをどう迎え、我々といかに「共同生活」をしてもらうのかを考えたほうがよいと思います。
京都市では問題が深刻化しています。バルセロナのような欧州のオーバーツーリズムと状況がほぼ一緒で、観光地としての人気を踏まえれば、今後も同じような状況が続くと思います。住民の快適性が悪化しており、欧州ならばバルセロナのような反観光デモが起こっていると思います。
足元で多くの問題が起きているのに、国が目標値を修正しないことに違和感があります。迎える我々になるべくストレスがかからず、来ていただく方にも快適に過ごしていただく観光を実現するには、観光客を増やすことばかりに目を向けるべきではありません。
国は「持続可能な観光」を掲げていますが、欧州やハワイは観光客数を目標にしないという転換を、持続可能な観光の起点にしています。人口減少で外国人観光客に目が向くのは理解しますが、観光客は想定通りに都合良く周遊も分散もしません。総量を物理的に抑制する仕組みを導入する時期だと思います。
――北大のある北海道でもトラブルがあります。路上駐車や農地への無断立ち入りを受け、美瑛町では1月、地元の合意で観光客に人気だったシラカバ並木が伐採されました。小樽市では撮影目的の観光客による私有地への無断立ち入りや道路への飛び出しが問題となっています。
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