「ツレがうつになりまして。」などで知られる漫画家の細川貂々(てんてん)さんは息子が通う小学校で3年間、PTAの本部役員を務めた経験がある。2020年にはコミックエッセー「アタックPTA」(朝日新聞出版)を出版し、PTAの仕組みや活動を詳しく描いた内容が反響を呼んだ。負担の重さや前時代的な慣習に疑問を抱きながら活動を続けた細川さんだが、それでも最後には「PTAは必要」と感じたという。その理由とは。【聞き手・松室花実】
企画「何のため?PTA」ではPTAの現状を取材し、時代に合った保護者会組織のあり方を考えます。
<前回>「仕方なく入会」待って PTAライター推奨の「理不尽度」チェック
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――なぜPTAに関わることになったのですか。
◆10年前、息子が小学2年生のとき、学級崩壊が起きたことがきっかけでした。授業参観に行くと、子どもたちは立ち歩いたり、友達と会話をしたり全く授業を聞いていないのに、先生は注意をせずに小さな声で授業を続けるだけ。「今の学校ってこんなことになってるの」とびっくりしました。
どうすればいいか考えていた時、友達がPTAの本部役員をやっていて学校の中の様子に詳しいことを思い出しました。私も本部役員になれば何かできるのではないかと思い、立候補することにしました。
潰れたGW、謎の浴衣ルール
――どのような活動をしたのですか。
◆私が立候補を決めた時にはもう次の年度の募集は締め切られていて、結局息子が小学4年生になった17年から本部役員の書記を務めることになりました。
会議の議事録をまとめたり、行事のポスターやパンフレットを作製したりする係です。就任して最初の仕事は役員の名簿を作ることでした。
1~6年の各クラスにいる学級委員や、学区内の安全を管理する地区委員などそれぞれの役職に就く人の手書きの情報を一つ一つパソコンに入力していきます。これがとても大変でゴールデンウイーク(GW)はどこにも遊びに行けず、作業ばかりしていました。
もう一つ大きな仕事はイベントの運営です。学校の校庭で開いた夏祭りが印象に残っています。地元のまちづくり協議会との共催で、何カ月も前から会議を重ねて準備しました。当日は露店を出したり、周辺の警備をしたり、来賓をもてなしたり、さまざまな役割をPTAで担います。本部役員は浴衣を着用しなければいけないというルールにも驚きました。「身動きが取りづらくて不便ではないですか」と聞いても、「昔からそうだから」としか言われませんでした。
わかり合えない学校と保護者
――辞めたいと思うことはなかったですか。
◆最初の1年間は活動に追われて、あっという間に終わってしまいました。結局学校の中のこ…
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