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2脚2輪のドイツ日記

ベルリン支局・五十嵐朋子記者が車いすユーザーの夫との暮らしを通じ、ドイツと日本の違いや「共生」について考えます。

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2脚2輪のドイツ日記

車いすの夫は赤ん坊の面倒をみられるのか 出産から1年後の結論

自宅アパートの中庭で、生後1週間ほどの娘を腹巻きに入れる諏訪正晃さん=ベルリンで2024年9月7日、五十嵐朋子撮影
自宅アパートの中庭で、生後1週間ほどの娘を腹巻きに入れる諏訪正晃さん=ベルリンで2024年9月7日、五十嵐朋子撮影

 車いすユーザーの夫は、赤ん坊の面倒を見ることができるのか。2024年4月にベルリンに赴任する際、出産を控えていた私(記者、39歳)には一抹の不安があった。夫の諏訪正晃(39)は「産休から復帰後は日中、娘の世話をする」と約束してくれたが、いったいどんなハードルがあるのか見当もつかなかった。

 夫は脊髄(せきずい)損傷のため、立ったり歩いたりすることはできない。子育てを経験したことのない私には、自分の問いへの答えが見つからなかった。育児書にも、障害のある親に向けたヒントは全くなかった。

 夫は「何とかなるんじゃないかな」とあっけらかんとしていたが、本当はいろいろ気になっていたようだ。

 最初のハードルはすぐ明らかになった。「どうやって赤ん坊を運べばいいのだろう」。赤ん坊を抱えると両手がふさがり、車いすが操作できないのだ。これでは娘をおむつ台に連れて行くこともできない。困った。

 ドイツでは産後、助産師が自宅を毎日訪問し、赤ん坊や母親の体調をみてくれる制度がある。我が家を担当してくれた助産師のゾニヤさんは、早速「おなかに布で巻けばいい」とアドバイスをくれた。ひざに赤ん坊を置いて布で包み込み、幅広のベルトのように背中で縛るのだ。

 「えっ、新生児を布で巻き付けて大丈夫なの?」。…

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