1回戦を落とした者同士の顔合わせとなったA級順位戦▲千田翔太八段-△中村太地八段戦。千田八段は昼食25分前の休憩宣言や、格言が戒める「王手は追う手」の攻めなど常識外れの勝負術を繰り出し、中村八段に快勝した。上地隆蔵さんは観戦記で、持ち駒を惜しみなく投入した千田八段の終盤術を「ヘタウマの3連打」と驚嘆を込めて表現した。
第1譜(1―46)
▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩
▲7六歩 △3二金 ▲7七角 △3四歩
▲6八銀 △7七角成 ▲同銀 △2二銀
▲7八金 △3三銀 ▲4八銀 △6二銀
▲4六歩 △6四歩3 ▲1六歩 △1四歩
▲9六歩 △9四歩1 ▲4七銀 △6三銀2
▲3六歩 △7四歩 ▲3七桂 △4二玉1
▲6八玉 △7三桂2 ▲4八金 △8一飛
▲5六銀 △6二金 ▲6六歩1 △5四銀
▲2九飛 △5二玉1 ▲6九玉1 △4四銀2
▲7九玉 △3三桂 ▲2四歩11 △同 歩
▲同 飛 △3五歩1(第1図)
(持ち時間各6時間 消費▲13分△13分)
クレバーな戦い方
午前中からもう40手以上進んでいる。研究でカバーできるところはさっさと指す。来たるべき局面に備えて、できるだけ持ち時間を温存しておくのが現代流のクレバーな戦い方だ。先後が決まっている順位戦、とりわけ角換わりではその傾向が強い。
2回戦最初の本局は7月30日、東京・将棋会館「特別対局室」で行われた。両者、黒星スタート。記者室で何気なく携帯を開くと、太平洋側に津波警報発令中と表示されていて驚がくした。震源はカムチャツカ半島付近。漠然とした不安でしばらくはそわそわした。東日本大震災が脳裏をよぎる。両対局者は知る由もなく、対局室で集中していた。
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