宮城県知事が「土葬」検討撤回 知事選、外国人政策の争点化回避?
宮城県が村井嘉浩知事肝いりで検討してきた土葬可能な墓地の整備を巡り、知事が撤回を表明した。約1年にわたった検討を、9日告示、26日投開票の知事選直前に打ち切り、争点化を回避した格好。イスラム教徒(ムスリム)が多く利用する土葬墓地整備は大分県でも頓挫しており、政府が外国人労働者の受け入れを進める中、地方でひずみが顕在化している。
告示3週間前の撤回
「土葬墓地の検討自体を撤回する」
村井氏は9月18日の県議会本会議で自民党会派の県議の質問に答える形で、検討撤回を表明した。
設置の許可権限を持つ県内全35市町村長に電話で意思確認したといい、「『仮に設置の打診があっても受け入れることはできない』という意見ばかりだった」と撤回の理由を述べた。
県による土葬墓地の検討が表面化したのは2024年10月。県議会で村井氏が自民党会派の別の県議の質問に方針を明らかにした。
背景には、全国に通じる少子高齢化や労働力不足と、国が拡大している外国人受け入れがある。
日本国内の外国人労働者数は24年10月末時点で約230万人に上る。
宮城労働局によると、県内でも前年同期に比べ2968人増え、1万9554人で過去最多となった。国際協力機構(JICA)の推計では、人口動態や産業・経済動向を踏まえて県内で必要な外国人の数は5年後の30年には3万4000人、15年後の40年には5万6000人とされる。
そうした中で県は23年、インドネシア政府と同国人材の受け入れ推進などについて協力する覚書を調印。火葬が禁忌となっているイスラム教徒が約9割を占めるインドネシア人を迎えるにあたり、村井氏は調査と課題整理をしたうえで「県内での土葬墓地実現に向けて検討していく」と県議会で説明したのだ。
24年12月の定例記者会見ではこうも語っていた。「多文化共生と言いながら、そういった(墓地整備の)点に目が行き届いていないのは行政とし…
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