師走の都大路を駆ける男子第76回、女子第37回全国高校駅伝競走大会への出場を懸けた県予選(県教育委員会、県学校体育協会、毎日新聞社主催)が4日、熊谷市の熊谷スポーツ文化公園陸上競技場・同公園内特設コース(男子7区間42・195キロ、女子5区間21・0975キロ)であった。男子は埼玉栄が2時間7分1秒で9年連続44回目の優勝。女子も埼玉栄が1時間8分28秒で3年連続28回目の優勝を果たした。女子の記録は1997年以来28年ぶりに1時間9分を切る好成績を収めた。男女の上位6チームは熊谷市の同競技場・同公園で22日に開催される関東高校駅伝に出場する。関東高校駅伝では各県予選1位を除く北関東・南関東地区それぞれの最上位校に、都大路への出場権が与えられる。
男子 2区からトップ譲らず
安定した走力でたすきをつなぎ、2区以降は首位を守るレース展開を見せ、都大路への切符を手にした。
1区の馬場柚(2年)は「もう少しスパートをかけたかった」と終盤まで互いに譲らない集団での位置取りに苦戦しつつ、トップと7秒差の4位でたすきを渡した。
2区は昨年と同じ根ケ山蓮(3年)。昨年はこの2区で前半飛ばし過ぎてしまったが、今年は「自分のペースなら大丈夫だ」と落ち着いたレース運びを見せた。約1キロ過ぎたあたりで先頭を捉えて、首位に立った。
3区の大谷謙心(3年)は「ペース配分を徹底的に意識した」と長距離区間での粘り強さを見せ、リードをさらに広げた。
独走状態でたすきを受け取ったのは、4区の柳本直輝(2年)。「肘を使ってリズム良く、リラックスして走る」と心掛け、首位をキープした。
5区の水越琉平(1年)、6区の利根川悠樹(2年)も区間1位の走りで、ライバルをさらに突き放した。7区の藤澤春希(3年)は「まずはこれで県代表として都大路に行ける」と安堵(あんど)の気持ちを胸に、フィニッシュテープを切った。
神山洋一監督は「夏以降、コツコツ積み上げてきた成果。失敗が許されないプレッシャーのかかる大会で普段通りの走りができたと思う。このまま継続させて、さらに成長させられれば」と都大路への更なる飛躍を誓った。【板鼻歳也】
■ズーム
粘り強い走りで引っ張る 埼玉栄・根ケ山蓮主将(3年)
有力選手が集う1区の激しい先頭争いの末、ライバルたちより少し遅れた4位でたすきを受け取った。
2区の走行距離は3キロと短期決戦の場だ。「先頭は見えていたので問題なかった」。視線の先で先頭を射程圏に捉えていた。昨年は同じ2区で飛ばしすぎてしまった反省がある。
落ち着いて、力をためる――。いけると思ったのは約1キロ過ぎ。慌てず、自分のペースで足をスライドさせる。先頭を追い抜き、突き放した。
今年2月に主将に就いた。「正直、下級生が走力で引っ張ってくれている。自分の言葉に重みがあるのか」と悩んだ時もある。
そうして導いた答えが、とにかく練習の時から、つらくても集団に食らいつく。粘り強い走る姿を示し続けるしかなかった。その姿を見守ってきた神山洋一監督は「どんな状況になっても勝つために根ケ山を2区に置いた」と信頼を寄せる。
都大路の切符は手にしたが、今のままでは駄目だと気持ちを引き締める。「1区で好走を見せた馬場に頼りすぎてはいけない。各区間のメンバーがベストに向かって伸び伸び走れるようチームをまとめたい」。主将としてやるべきことは山積している。
目指すは全国3位以内。「チーム全員でそれぞれの役割を果たし、全国でも戦いたい」。みんなで思いっきり喜ぶのは、冬の京都でいい。【板鼻歳也】
女子 9分の壁28年ぶり破る
「松浦、9分の壁、破れるぞ!」。スタンドから埼玉栄の田村敬明監督の声が飛ぶ。その声に押されるように、アンカーの松浦銘玉(2年)がピッチを上げる。そして、高々と両手を広げ、3連覇を示す3本指を立ててゴールを切った。2位の本庄東との差は約6分。女王の貫禄を見せつける走りだった。
総合タイムは1時間8分28秒。1時間9分の壁を破ったのは、1997年以来28年ぶりになる。その瞬間、大会本部席からも歓声が湧き起こった。
快勝だったが、実は舞台裏ではメンバー1人が負傷のため大会直前に交代を余儀なくされるというアクシデントに見舞われていた。1区と5区を入れ替えることも検討したが、「1区、2区は変えないオーダーで『先手必勝』の戦略で臨んだ」(田村監督)。
先手必勝の流れをつくったのが3年連続1区を任された福山若奈(3年)。序盤から飛ばし2位に1分29秒の差をつけた。2区の久保田菜々(3年)、3区の永井そら(2年)、4区の川上栞(3年)も快走し、差を広げながら首位を守りきり、アンカーの松浦につなぐ展開だった。
田村監督は「選手たちは想定以上に走りきった。全国(都大路)5位以内を秘めた目標として掲げてきたが、口に出しても恥ずかしくない内容だった。課題も見えてきた。目標達成に向けてチームをサポートしていきたい」と抱負を語った。【隈元浩彦】
■ズーム
「当たって砕けろ」で流れ 埼玉栄・福山若奈選手(3年)
目を引く力強いフォームで序盤から飛ばした。「いい流れをつくってくれた」と田村敬明監督はたたえた。6キロの最長区間を走る1区。勝負の流れを決める重要なポジションを、1年生から任されてきた。その重圧をものともせず、1区を19分13秒で走り抜け、県大会区間新記録を刻んだ。「目標よりもいいタイムで走れた」と振り返る。
「区間記録を狙っていました」とも明かした。女子の区間記録のうち2~5区は全て埼玉栄の先輩たちが持つが、1区だけは昌平の記録だった。「埼玉栄でそろった方が格好がいいので」と口元を緩めた。
座右の銘は「当たって砕けろ」。昨年の都大路では、スタート直後に転倒するアクシデントに見舞われたが、追い上げて残り2キロで先頭集団に躍り出た。そのタフな走りは“伝説”になった。「あの時は驚くほど冷静でした。自分の強みは、押していく気持ちですから」と言う。
2年生までは先輩の背中を追ってきた。「自分の記録だけではなく、チームとしての方向性を示すことができればと思って日々走っています」。その言葉に最上級生としての責任感がにじむ。
最後の都大路。「前回大会も入賞を目標にしていましたが、今年こそはその目標を達成したい」。忘れ物を取りに帰る――。静かな口調ながら、そんな決意が見て取れた。【隈元浩彦】
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