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糸谷ワールド全開も 終盤2択で転落 A級順位戦観戦記

A級順位戦4回戦で糸谷哲郎八段を破り、対局を振り返る増田康宏八段=大阪府高槻市の関西将棋会館で2025年10月15日、新土居仁昌撮影
A級順位戦4回戦で糸谷哲郎八段を破り、対局を振り返る増田康宏八段=大阪府高槻市の関西将棋会館で2025年10月15日、新土居仁昌撮影

 A級順位戦▲増田康宏八段(対局時1勝2敗)―△糸谷哲郎八段(同3勝)で、糸谷八段は左金が敵陣最奥部に“トライ”する糸谷ワールドを披露。勝利まであと一歩に迫ったが、終盤で二択を誤り痛い星を落とした。藤原直哉七段が観戦記で「もったいない負け方」と残念がった、その中身とは――。

第1譜(1―40)

▲7六歩  △3四歩  ▲2六歩  △4四歩

▲4八銀  △8四歩  ▲6八銀  △3二金

▲7八金  △4二銀  ▲6九玉  △6二銀

▲5六歩3 △4三銀1 ▲3六歩  △8五歩

▲7七銀  △5二金  ▲2五歩  △3三角

▲7九角  △7四歩  ▲5八金  △7三桂

▲3七銀2 △6四歩  ▲6八角1 △6三銀

▲2六銀24 △8一飛1 ▲3五歩  △4二角

▲6六歩12 △6二玉  ▲7九玉  △3三金9

▲6七金右4△5四歩8 ▲9六歩  △9四歩(第1図)

(持ち時間各6時間 消費▲46分△19分)

糸谷の世界

 A級リーグは4回戦に入る。10月15日、糸谷哲郎八段は関西将棋会館に、増田康宏八段を迎えた。

 名人挑戦を果たすには、増田はもう負けられない。糸谷もラス前で連勝の永瀬拓矢九段、最終戦には近藤誠也八段が控えている。

 糸谷将棋の評判がいい。力強く独創的な内容は、個性があふれている。AI(人工知能)の影響で、定跡を記憶することが勝敗に大きな意味を持つと言われるが、糸谷には関係がない。楽しい将棋がそこにある。

 6月から常務理事になり、研究会をする時間のない糸谷だが、以前は兄弟子の山崎隆之九段や若手棋士、奨励会員たちと熱心に実戦をこなした。その貯金が今、生きている。

 早指しはもう一つの魅力である。…

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