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日本の金利が上昇傾向にあります。人々の暮らしやビジネス、日本の将来にどんな影響を及ぼすのでしょうか。

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「お得感」なかった円建て一時払い終身保険 日銀利上げで販売急拡大

「金利ある世界」が定着し資産運用の機運が高まっている=Getty Images
「金利ある世界」が定着し資産運用の機運が高まっている=Getty Images

 日銀の利上げによる「金利ある世界」の到来で、円建て一時払い終身保険の販売が急激に増えている。顧客に約束する利回りが改善したことで、保険本来の機能に加え、資産運用先としての魅力が回復したためだ。超低金利だった数年前に比べ、販売件数が数十倍に拡大するケースもある。何が起きているのか。

一括払いの死亡保険で運用機能を兼ねる

 「円建て商品、まだ販売していたんですね」。埼玉県の社会保険労務士の男性(62)は今夏、なじみの大手生命保険の社員に円建ての一時払い終身保険を提案され、懐かしさを覚えた。商品の内容に満足し、8、9月と2カ月続けて計2000万円の保険料を納める契約を結んだ。

 一時払い終身保険は、まとまった金額の保険料を一括で納め、契約者が亡くなるなどした際に、保険金を遺族らが受け取る仕組み。「非課税枠」があるため預貯金などと違って相続税を節約できるメリットがあり、手元資金に余裕のある高齢者が主な顧客となっている。

 毎月少額の保険料を払い続ける「掛け捨て」型と異なり、解約時に一定の金額が戻ってくるのが特徴。最初に納めた保険料(元本)から手数料など経費を差し引いた後、生命保険会社が市場で運用して増やすため、契約後何年かたてば多くの商品で解約時に戻ってくるお金(解約返戻金)が元本を上回る。このため、保険機能を兼ねた個人の運用手段ともされている。

 業界最大手の日本生命では、円建ての一時払い終身保険「マイステージ」が絶好調だ。2025年度上期(4~9月)の販売件数は約9万8700件と、20年度上期(約1900件)から50倍に増加した。

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