ノーベル賞受賞者が政府に直言も 「基盤的」な研究費、なぜ増えない
毎日新聞
2025/12/11 09:00(最終更新 12/12 10:50)
有料記事
1806文字
日本人研究者がノーベル賞の栄冠を手にする度に、基礎研究への支援を政府に強く訴えることが続いている。今年「ダブル受賞」を決めた坂口志文・大阪大特任教授と北川進・京都大特別教授も同様だ。研究費は増額傾向にあるが、なぜ卓越した研究者らの危機感は変わらないのか。
「競争的」な研究費は増える傾向
ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった10月6日、坂口氏は、祝電をかけてきた阿部俊子・文部科学相(当時)に訴えた。「日本の基礎科学に対する支援がだんだん不足しているように、私自身は感じます」。例えば免疫分野では、ドイツと比べても研究資金が3分の1にとどまると坂口氏は語った。
全体で見ると、日本の公的研究費は増えていないわけではない。2010年度に2000億円だった科学研究費助成事業(科研費)は数百億円規模で増え、24年度は約2400億円だった。さらに近年は半導体や人工知能、量子など、国家競争力に直結するとされる分野に対しても大型プロジェクトの予算が付く。
研究者が自ら応募する科研費などのこうした「競争的研究費」は、補正予算も合わせると22~24年度はいずれも2兆円を超える。自民党は科研費の予算を35年に2倍にすることを政府に求め、日本維新の会との連立合意書にも科研費の「大幅拡充」を盛り込んだ。状況は追い風にも見える。
ただし、競争的研究費は、審査を経て勝ち取る必要があり、期間も限られているという特徴がある。京都大の研究推進担当理事を務める北川氏は、ノーベル化学賞の受賞決定を受けて開かれた講演会でこう述べた。
…
この記事は有料記事です。
残り1151文字(全文1806文字)
【時系列で見る】
-
ベネズエラのグアニパ氏、自宅軟禁に ノーベル平和賞マチャド氏盟友
84日前 -
県民栄誉賞のノーベル賞・坂口さん「サイエンスは面白い」 滋賀
134日前 -
ノーベル賞受賞の坂口志文さんが帰国 「科学に大きな可能性」
140日前 -
ノーベル化学賞を受賞の北川進さん帰国 「密度高い多忙な1週間」
142日前 -
休診理由は「身内がノーベル賞」 眼科の張り紙、SNSで話題 愛知
145日前 -
ノーベル式典出席の坂口氏「人生で特別な日、メダルは重たい」と笑顔
145日前 -
坂口氏「社会の関心深める」北川氏「実感わいた」 ノーベル賞受賞
145日前 -
変装し漁船でベネズエラ脱出 ノーベル平和賞マチャド氏、オスロ到着
146日前 -
「恐怖と隣り合わせ」時間軸短くなる日本の研究現場 大隅氏の警鐘
146日前深掘り -
ノーベル賞受賞者が政府に直言も 「基盤的」な研究費、なぜ増えない
146日前深掘り図解あり -
ノーベル賞授与の瞬間に笑み 坂口志文さんと北川進さんに万雷の拍手
146日前 -
ノーベル平和賞マチャド氏、授賞式間に合わず 長女が代理で受賞
146日前 -
ノーベル賞授賞式 坂口志文さんと北川進さんにメダル授与
146日前 -
「自由はつかみ取るもの」 ノーベル賞式典会場でマチャド氏娘が代読
146日前 -
マチャド氏がノーベル賞式典欠席 迫害懸念し潜伏生活 娘が代理出席
147日前 -
北川さん、ノーベル賞までの道のり「私だけの物ではない」
148日前 -
坂口さんが授賞式前に記念講演 制御性T細胞は「臨床応用の段階に」
149日前 -
坂口さん「基礎研究への支援訴えたい」 ノーベルウイークで記者会見
150日前 -
ノーベル平和賞のマチャド氏、授賞式に出席意向 10日にオスロ開催
150日前