「金利負担まで増やすのか」 賃上げ難しい中小企業から怒り 日銀利上げ
毎日新聞
2025/12/19 12:22(最終更新 12/19 12:37)
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「賃上げコストがどんどん膨らむ一方で、取引先に簡単に製品の値上げを認めてもらえない。そんな苦しい中で、金利負担まで増やすというのか」。首都圏郊外の住宅地の一角にある従業員約30人の金属部品加工会社の工場。冷え込みの厳しくなった12月上旬、金属を削る無機質な機械音が響く中で、50代の男性社長の表情は険しかった。
2008年の世界的な経済危機「リーマン・ショック」で多くの取引先を失い赤字に陥った会社を、危機の数年後に父親から引き継いだ。新たな取引先の開拓にがむしゃらに奔走し、年間の売上高を7億円まで増やし経営を立て直した。
そんな中で襲ってきたのが物価高(インフレ)だ。22年4月以降、全国の消費者物価指数(総合)は3年7カ月連続で前年同月比2%超の上昇率。「令和の米騒動」で主食のコメの値段も急騰し、会社を支える従業員の暮らしが一気に厳しくなった。
首都圏では人手不足が深刻化しており、今いる従業員は失うことのできない貴重な戦力。「絶対に辞めてほしくない」と考え、25年春、賃金を思い切って4%引き上げた。
26年も同程度の賃上げをするなら年間600万円のコストがかかるが、背に腹は代えられない。そう考えていた今年10月、懇意にする信用組合の担当者から耳を疑うシナリオを聞かされた。
利払い増加シナリオの宣告に冷や汗
「今後、日銀の政策金利が3回くらい上がるかもしれない。利払いが少なくとも数十万円は増えると考えておいた方がいい」。これは設備投資のため新たに1500万円を借り入れ、7年で返済する場合のシミュレーションで痛手は限定的。だが、同社には他にも多額の借金があり、それを借り換える際の利払い費まで膨らむことを考えると冷や汗が出た。
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