日銀利上げで家計の恩恵と負担は? 住宅ローン金利上昇に備えを
日銀の利上げで、家計にはどのような影響があるのか。みずほ証券の小林俊介氏の試算によると、住宅ローンの利払い費が5900億円、カードローンなどの利払い費が3300億円増える一方、預金の利子収入は1兆円増加。このため家計全体で見れば、収入増が負担増を800億円上回る計算だ。
ただ、小林氏は「高齢者が預金を多く保有する一方、子育てなどで支出の多い現役世代は預金が少なく、住宅ローンを抱えているケースが多い」とも指摘。高齢者や富裕層への恩恵が多い一方、現役世代や銀行からの借り入れが多い中低所得者層にとっては負担が増すことになりそうだ。
住宅ローンの利払いはどれだけ増える?
住宅ローン金利の負担は、どの程度重くなるのだろうか。大手行が無料公開しているシミュレーションを使い、4000万円の住宅ローンを35年で返済するケース(ボーナス返済なし)を比べてみた。
0・5%で借りられていた時代は、毎月の返済額が10万3832円、利息を含めた総返済額は4360万9440円だった。これに対し、金利が1・0%の場合は、毎月の返済額は11万2913円と約1万円増え、総返済額は4742万3460円と400万円近く増える。
更に金利が1・5%まで上がれば、毎月の返済額は12万2473円と「0・5%時代」に比べ約2万円増加、総返済額は5143万8660円と800万円近く増える。
不動産経済研究所によると、10月の新築マンション1戸当たりの平均価格は、東京23区で前年同月に比べて18・3%高い1億5313万円と過去2番目の高さ。都心での高額物件の販売が好調で、価格高騰に歯止めがきかない状態だ。
それでも一般世帯が何とか住宅を購入できていたのは、日銀のマイナス金利などで住宅ローン金利が超低水準に抑えられていたことが大きい。利上げ継続で金利が「正常な水準」(日銀幹部)に上昇すれば、価格高騰と金利負担増のダブルパンチで庶民には手が届かなくなる可能性がある。
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