雨中でも「圧倒的」好記録の要因は…全国高校駅伝、高岡寿成氏が分析
京都市で21日に開かれた全国高校駅伝で、男子は学法石川(福島)が2時間0分36秒の大会新記録で初優勝を果たし、女子は長野東が大会記録に迫る1時間6分30秒で2年連続3回目の栄冠に輝いた。
雨の中で高次元のレースができた理由は何か。男子マラソン元日本記録保持者で、日本陸上競技連盟強化委員会の高岡寿成シニアディレクターに分析してもらった。
世界経験の久保選手との競い合い「刺激に」
男女ともに有力チームによる混戦を予想したが、男子優勝の学法石川、女子優勝の長野東は圧倒的なレース運びを見せた。大会の歴史を振り返っても、指折りの強さだ。
レース中に雨が降りしきる中でも、男女の優勝チームは大会新記録、またはそれに迫るタイムを残した。要因は周到な準備と区間配置の妙にある。
まず、降雨によって気温が適度に下がり、走りやすいコンディションとなったことで好記録の機運が生まれた。
学法石川、長野東の選手は路面がぬれて足元に不安がある中で何事もなく走ったように見えた。日ごろから悪条件を想定した練習をしているのだろう。だからこそ、普段通りの力が出せた。
両監督の区間配置が抜群に当たったことも、快記録を後押ししたと言える。
例えば、長野東は前回大会最長1区(6キロ)の区間賞だった真柴愛里選手を3区(3キロ)に回して留学生と勝負させた。力のあるランナーが地力に勝る留学生に向かっていったことで区間新記録が生まれ、レース全体をさらに優位にした。
学法石川もエース区間1区(10キロ)の日本選手最高記録を樹立した増子陽太選手だけでなく、他の主要区間でも選手が起用に応え、2位以下を引き離す「二の矢」を放った。
指導者が選手の状態を的確に把握し、選手は期待通りの走りを見せる。互いの思いが合致していた。
高校時代から高次元の記録に挑戦する気概を持ち続けることは、さらなる高みを見据えるのに必要なことだ。
加えて、今大会には9月の世界選手権東京大会に出場した久保凜選手(東大阪大敬愛)も出場した。世界を知る同世代と競うことで刺激を受けるのは、得がたい経験だ。
国際大会の出場経験がある男子の簡子傑(かん・しけつ)選手(宮城・仙台育英)は、高い競技レベルを求めて台湾から留学してきた。若い時から高め合える関係性を築くことも、今後に生きる。
駅伝を通じ、次のステージへ飛躍するきっかけをつかむことができる。そう感じたレースだった。(日本陸上競技連盟強化委員会シニアディレクター)
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