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私立・国立中の受験者数が首都圏で過去最多に。少子化が進む中、受験熱は地方にも広がっています。

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令和のリアル 中学受験

中学受験目前で娘がスランプに…母は受験の「魔物」とどう闘ったか

智子さん(仮名)が日記に書いていた「魔物」=本人提供
智子さん(仮名)が日記に書いていた「魔物」=本人提供

 お母さん、なんとかして――。

 昨年9月の半ばを過ぎた、ある日の晩のことだ。

 翌年に中学受験を控えた次女が、寝床に入るなり大粒の涙をこぼした。

 思うように成績が伸びず、不安に押しつぶされそうになっていた。

 「このままだと第1志望校に合格できない」

 落ち込む娘を、母はこう諭した。

 「自分で乗り越えないと。親の力で何とかしようなんて、意味のないことだよ」

 ところが母はその後、中受に潜む「魔物」にとりつかれることになった。

  <主な内容>
 ・成績伸び続けたのに突然「異変」が
 ・母の胸にすみ着いた「魔物」
 ・背中を押した「あの2人」の言葉
 ・受験を乗り切れた「思考の転換」とは
 「令和のリアル 中学受験」第31部は1月下旬に公開予定です。

小6秋までは順調だった

 大阪府に住む会社員の川崎智子さん(50)=仮名=の次女、美衣さん(13)=同=が受験を決意したのは、小学4年生の秋だった。

 府内の私立校の文化祭を見学し、清潔な設備や種類が豊富な部活動などに魅力を感じたからだ。

 翌年2月から塾に通い始めると、成績はぐんぐん伸びた。

 第1志望に見据えたのは、府内の難関私立校。6年生の秋の段階で、合否の可能性は「五分五分」(智子さん)だった。

揺らいだ母の価値観

 智子さんの目には、中受の世界は「親のサポート次第、という価値観の保護者がすごく多い」と映っていた。

 しかしそんな保護者たちの完全伴走型の関わり方は、自身の価値観とは違った。

 「勉強するのは、あくまでも娘本人。私と娘は別人格」

 「娘が自分の力で入れる学校に行ければ、それでいい」

 智子さんはそう信じていた。

 大人に言われたことをただこなすのではなく、自分で試行錯誤しながら目標に向かって進み、失敗も含めて自分で決めたことを受け止める。

 中受を通して、そういう経験を娘にしてほしかった。

 智子さんは、塾の日は弁当を作り、土日は送迎。分からない問題があると言われたら夫や自分が面倒を見る。

 夫婦ともフルタイム勤務であり、無理のない形で美衣さんの努力を支えてきた。

 関西圏の中学入試は例年、1月半ばに統一解禁日を迎える。

 本番まであと4カ月――。美衣さんがつまずいたのは、そんなタイミングだった。

 一度は、自分…

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