観客の心を奪った青木祐奈 「ラ・ラ・ランド」に込めた思い
フィギュアスケートの全日本選手権が21日に閉幕した。2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピックの最終選考会を兼ねていたため、五輪の代表争いに注目が集まったが、フィギュアを突き詰めたベテラン勢の好演も大会を彩った。昨季、今季と迷いながらも現役続行を決断し、今大会は自己最高の5位に入った23歳の青木祐奈選手(MFアカデミー)もその一人だ。
「やっとできた、という喜びで」
ロイヤルブルーのドレスを身にまとい、しっとりとしたピアノの音色とともに青木選手のフリー「ラ・ラ・ランド」は幕を開ける。
現在、日本のトップクラスでは跳ぶ選手がいない代名詞のルッツ―ループの連続3回転ジャンプをクリーンに着氷。続く3回転トーループを降りた直後、おなじみのフレーズが会場に響き渡る。
明るい笑顔に変わり、テンポアップした曲に合わせて動きのキレも増していく。表情の変化、動きの強弱や曲の緩急、そして美しいと思わせるスケートの技術。すべてを詰め込み、全身を余すことなく使って物語を表現していく。
その様子は、さながら氷上のミュージカル。一時たりとも目の離せない4分間は、あっという間に終幕を迎えた。
フィナーレはこん身のガッツポーズだった。「全日本で良い演技をしたいと毎年思いながら、なかなかできていなかったので。久しぶりにこのような快感というか、『やっとできた』という喜びで、思わず」と目を細めた。
「選手としては一度、昨季で区切り」
元々は、大学卒業と同時に引退を決めていた。だが、23年のグランプリ(GP)シリーズNHK杯で見た観客席の光景や、アイスショーで共演した村上佳菜子さん、村元哉中さんらの言葉もあり、現役続行を決めた。
昨季はNHK杯でGPシリーズ初の表彰台となる3位に入り、全日本に向けても自信を持てるだけの練習が積めていた。ところが、全日本ではルッツ―ループでミスが出るなどして12位に終わった。もう一度、同じ舞台で悔しさを晴らしたい思いもあったが、競技を続ければ練習しても結果が出ない苦しみ、重圧を再び味わう怖さもあり、なかなか結論が出せなかった。
背中を押したのは、中庭健介コーチの「まだ、演技を見ていたい」という言葉だった…
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