不祥事相次ぐ、原子力業界…今なお残る「原子力村」特有の価値観とは
毎日新聞
2026/1/21 19:07(最終更新 1/21 19:07)
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東京電力ホールディングス(HD)が21日、柏崎刈羽原発(新潟県)を再稼働させた。政府は原発の「最大限活用」を掲げており、電力の安定供給や経済成長につなげるために今後も再稼働を推し進める方針だ。ただ今年に入り、中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の再稼働に向けた審査で、安全対策の水準となる基準地震動のデータを恣意(しい)的に決めた不正行為が発覚した。専門家は「往年の『原子力村』をほうふつとさせる手法だ」と驚く。他電力を含めた安全意識に問題はないのか。
「スタートラインに立ったところだ」
東電HDの小早川智明社長は5日の年頭のあいさつで、柏崎刈羽6号機の再稼働をこう表現した。9日には次期経営再建計画の認定を政府に申請。再稼働による収益改善効果は1基、年1000億円程度を織り込んだ。原発の再稼働は福島第1原発事故後から続く経営再建に向けた大きな一歩となる。
政府は運転中に二酸化炭素(CO2)を排出せずに電力を安定供給できる原発を「脱炭素電源」と位置づける。東電HDはデータセンターや脱炭素分野を柱とする再建策を進める上でも、原発再稼働を追い風にしたい考えだ。
次に再稼働が見込まれるのは、27年早期の稼働を目指す北海道電力の泊3号機。火力発電の燃料費削減効果などで、全国で最も高い北海道の電気料金は家庭向けで11%、工場向けなどを含めた全体で7%程度値下がりする見通し。国内全体の電気料金水準を引き下げられれば、データセンター事業者などを海外から誘致できるとの期待もある。
そんな中、今月5日に発覚したのが、浜岡原発の基準地震動を巡る不祥事だった。…
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