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ボスめし

戦前に毎日新聞記者だった子母沢寛の「味覚極楽」に倣い、食の思い出やこだわりを通して著名企業経営者の人柄を描きます。

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ボスめし

北海道で出合ったぜいたくシシャモ ヤンマーHD・山岡照幸執行役員

「八重八」の弁当を手にする山岡照幸ヤンマーホールディングス執行役員。同氏が社長を務めるヤンマーマルシェが運営しており、コメなど素材にこだわり昼時には行列ができる=東京都中央区で2025年9月4日午後3時
「八重八」の弁当を手にする山岡照幸ヤンマーホールディングス執行役員。同氏が社長を務めるヤンマーマルシェが運営しており、コメなど素材にこだわり昼時には行列ができる=東京都中央区で2025年9月4日午後3時

 食の思い出やこだわりを通して、企業経営者の人柄を描く「ボスめし」。23回目は、ヤンマーHDの山岡照幸執行役員に聞きました。【聞き手・山越峰一郎】

母手作りのごちそう「サモサ」

 学校に持っていくお弁当で印象に残っているのは、パンにピーナッツバターといちごジャムを塗ってアルミホイルに包んだものです。

 英国育ちで、料理がすごく好きな母が作ってくれました。

 特別ではないけれど、身近で、素材をそのまま組み合わせた素朴な食べ物。

 昔からそうした飾り気のない料理が好きだったのだと思います。

 母の料理で特に好きだったのはカレー風味のサモサ(インドの包み揚げ)です。

 日本とインドのフュージョン(合成)みたいで、インド料理で食べる(具がジャガイモ主体の)サモサと全く違い、カレー味のひき肉を生地で三角に巻いたもの。

 当時の私には、すごいごちそうでした。小学生の時、家で友達と遊んだ後にみんなでほおばった記憶は、料理が人をつなぐものだという最初の実感だったように思います。

 ハレの日は祖母とコック・オ・ヴァン(フランス料理の鶏の赤ワイン煮込み)を作ることがありました。

 家族が集まるときに、クリスマスだったらチキンを焼き、正月にはおせちを用意する、そんな行事食の習慣は、祖母から母へ、今では私が引き継いでいます。

「日替わり」だった父の味

 一方、父の料理は違った意味で強烈でした。

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