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奥能登に生きて―被災地からの伝言

石川県輪島市門前町在住の医療ジャーナリストで、毎日新聞客員編集委員の東栄一さんが被災地をリポートします。

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奥能登に生きて―被災地からの伝言

2026年2月 歴史の継続に赤信号 伝統行事、担う住民戻らず /石川

西保地区の現状について語る中幸雄・西保公民館長=輪島市で、東栄一撮影
西保地区の現状について語る中幸雄・西保公民館長=輪島市で、東栄一撮影

 「伝統行事? やりたくても、人がいて初めて成立する話です。今は住民がいないのです」。石川県輪島市の西保公民館長を務める中幸雄は、ため息まじりにそうつぶやいた。

 能登半島地震から2年が過ぎ、奥能登豪雨からもまもなく1年半となる。だが、輪島市西部の西保地区は、いまだに震災と豪雨災害の大きな爪痕を残す。集落が孤立し、住民全員がヘリで集団避難した集落だ。

 中に話を聞いたのは、西保地区の中心・大沢町内にある西保公民館だ。川沿いにある公民館の建物は豪雨に伴う濁流に襲われ、今も浸水した際の痕が生々しく残る。建物はあるが、もはや公民館の体をなしていない。中に促され横の通用口から建物内に入り、奥のテーブルと椅子を置いただけの一室に案内された。

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