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埼玉県で看護師をする光栄(みつはな)みほ子さん(50)は2019年、81歳の父の最期をみとった。
長い間、父は憎しみの対象だった。小学生の頃の記憶では、父は働かず家にいて、ささいなことで烈火のごとく怒った。ひどい頭痛や手足のしびれに悩まされ、それを紛らわそうと毎日大酒を飲み、たばこをたくさん吸った。
母は朝から晩まで懸命に働いたが、家計は苦しかった。借金返済の督促と思われる電話や訪問が増え、みほ子さんは生きた心地がしなかったという。そんな境遇を父のせいだと感じるようになり、会話をしなくなった。「お父さん」と呼ぶこともなくなった。
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