日本のジェンダーギャップ指数を押し下げているのは、政界と経済界における女性リーダーの少なさだ。そんな中、初の女性首相となった高市早苗氏は、自らの人気で「衆院単独3分の2」を超える戦後最多の議席を自民党にもたらした。女性リーダー像について、あらためて国際女性デーを前に考えた。【聞き手・小国綾子】
男性政治の温存に加担 小川公代・上智大教授
高市早苗さんのあこがれの政治家は英国の元首相サッチャー氏だそうです。私は学生時代以降、サッチャー政権を含む15年間、英国で暮らしました。サッチャー氏は能力主義を貫き、女性や貧困者、移民らマイノリティーを切り捨てた。一般庶民出身で苦労して「初の女性首相」になった当事者で、その生きづらさを痛感しているはずなのに、女性をより生きづらくした新自由主義的な政策を推進しました。私は英国で、多くの人が苦しめられたサッチャリズムを実体験しました。だから高市さんにも強い危機感を抱いています。
サッチャー氏はフォークランド紛争ですぐに派兵を決断。国有企業の民営化など新自由主義的な政策を進め、「鉄の女」と呼ばれました。男性中心の政界でトップにたどりつくため、「男性らしい」政治に男性よりも過剰適応する女性政治家は数多くいます。高市さんもそう。結果的に男性政治の補完と温存に加担しているのです。
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