「知的障害者が通う施設です」と受話器越しに伝えると、ホテルの男性スタッフは冷たく告げた。「そういう団体の予約は受け付けていません」
埼玉県越谷市の障害福祉サービス事業所「野の花」で支援員を務める男性(44)が2023年6月、栃木県那須町のリゾートホテルに電話をかけた際のやり取りだ。利用者18人と職員8人で、秋の旅行に向けて宿泊予約をするためだった。男性はあぜんとし、そのまま受話器を置いた。
野の花は重度の知的障害者らの通所施設だ。毎年1回旅行していたが、新型コロナウイルス禍で一時中断。23年は久しぶりの再開で、利用者や職員は一緒に過ごす時間を楽しみにしていた。普段は家と施設の往復ばかりになりがちな利用者にとって旅行は大きな意味を持つ。
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