地球深部探査船「ちきゅう」が2月、南鳥島(東京都小笠原村)近海の水深約5600メートルの深海底から、レアアース(希土類)を含むとみられる泥を採掘した。中国に依存するレアアース調達だが、にわかに国産化への期待が高まっている。本当に国産化は実現するのか。コストをかける意義はあるのか。
「遠くて深い」壁だがメリットも 石井正一 内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム」プログラムディレクター
南鳥島沖で採ったレアアース泥や量にばかり焦点が当たるが、その裏には本土から約2000キロ離れた海域で、高波と暴風という悪天候の中の壮絶な作業があった。研究員や技術者、船員計145人が35日間、物資の補給なしに従事し、無事に清水港(静岡市)に帰港した。「ちきゅう」では通常、2~3週に1度はヘリコプターによる物資補給を行う。悪天候の中、無補給の行程も前例がないことを含め、揚泥は歴史的快挙だった。
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