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クマと向き合う

各地でクマによる被害が深刻になっています。私たちはクマとどのように向き合えばいいのでしょうか。

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「200点の判決」 とハンター評価 クマ被害に踏み込んだ最高裁

ヒグマ駆除を巡る猟銃許可取り消しの処分撤回を求めた訴訟の上告審で逆転勝訴し、笑顔を見せる原告の池上治男さん(中央)=東京都千代田区で2026年3月27日午後3時42分、手塚耕一郎撮影
ヒグマ駆除を巡る猟銃許可取り消しの処分撤回を求めた訴訟の上告審で逆転勝訴し、笑顔を見せる原告の池上治男さん(中央)=東京都千代田区で2026年3月27日午後3時42分、手塚耕一郎撮影

 クマによる人身被害が全国的に深刻化する中、最高裁は27日の判決で、北海道公安委員会から猟銃所持が禁じられたハンターに銃を返す判断をした。

 クマ駆除は猟友会への依存度が高いのが現状だ。冬眠を終えればクマは再び活動を始める。判決にはどのようなメッセージが込められたのか。

7年ぶりに猟銃取り戻す

 「猟銃返還へ」「逆転勝訴」

 午後3時40分ごろ、最高裁の法廷で判決を聞き終えた原告の池上治男さん(77)と弁護団は、正門前で紙を掲げた。

 「ハンター目線で常識的な判断をしてくれた。これ以上ない判決だ。長い闘いが終わった」。池上さんは表情を緩ませた。

 猟銃を失ったのは2019年4月のことだ。

 北海道砂川市から要請を受け、体長約80センチのヒグマに引き金を引いた。

 子グマであることを理由に逃がすことを提案したが、住民側の強い要望を受けての判断だった。

 近くに民家があったことから「危険な発砲」とみなされ、道公安委から猟銃所持の許可を取り消された。

 クマ駆除は趣味的な狩猟とは性格が異なる。多くの猟友会はハンターの高齢化や担い手不足に悩みながらも、地域の安全のために自治体からの要請に応えている。

 池上さんも道猟友会砂川支部長を務める。

 「このままでは誰も駆除を引き受けられなくなる」

 自身への取り消し処分がクマ駆除の活動に与える影響を考え、司法に救済を求めた。

 1審は勝訴したが、2審で逆転敗訴した。

「萎縮的な影響及ぼす」

 最高裁判決までの間にクマ対策は切迫度を増した。25年度のクマによる死者数は全国で13人(2月末時点)。過去最悪だった23年度の6人の2倍超と急増した。

 「現場に駆けつけるハンターの頑張りを裁判官にも理解してほしい」

 最高裁の判断に期待を寄せて判決を迎えた。

 第3小法廷は、…

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