「学年で女性は1人だけ」 数学者が語る「数学嫌い」を生む背景
「数学って何に役立つの?」
「計算機があれば事足りるのに、なぜ勉強するの?」
こうした疑問を抱いたことのある人は多いのではないでしょうか。
学生時代、同学年に女性が1人だけという境遇も経験した数学者の佐々田槙子・東京大教授(確率論)に、「数学嫌い」が生まれる背景や日本の教育の課題を聞いてみました。【聞き手・斎藤文太郎】
「違いこそが素晴らしい」
パズルやカードゲームが好きな子どもでした。負けず嫌いで、保育園では先生から「相手が何を出すかを考えてじゃんけんをしているね」と言われていたみたい。
振り返れば、数学につながる遊びをよくしていたようです。
親も私の好みを分かってくれていたと思います。算数に関する面白そうな本を買ってくれたり、数学者で大道芸人のピーター・フランクルさんが作ったゲームをパソコンでやらせてくれたりしました。
東京都内の公立小に通いました。授業の印象は薄いですが算数は得意でした。
「百ます計算」のような繰り返しの作業や暗記は苦手でしたが、新しい問題や考え方に出合えるのが楽しかったです。
進学したのは都内の私立女子中高一貫校で、英語に力を入れていました。当時、理系を目指す生徒は特に多くはありませんでしたが、個性をすごく大事にする学校でした。
制服はなく、校則もほぼなしで「人と違うことこそが素晴らしい」という方針でした。
女子生徒が数学が得意だとか好きだとか言うと、周囲から浮いてしまうことがある、と大人になってから聞くことがありました。
ですが、私の学校はそんな雰囲気はなく「人によって好きなものが違うのは当たり前だよね」という感覚で、過ごしやすかったです。
毎朝礼拝の時間があり、生徒も順番に自由なテーマで話をしていました。最近考えていること、友人関係、進路……。
話題はさまざまで、考えをどう伝え、自身と違う考えをどう受け止めるか、すごく勉強になりました。
学年に女性は1人だけ
東大理科1類に入ったときは50人クラスで女性は3人だけ、理学部数学科に進んだ際には45人ほどの同学年で女性は私だけでした。…
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