「自転車は邪魔者」の意識変わるか 追い越し時、車側に新規定
自転車は幅広い世代に慣れ親しまれる一方で、車にとっては予測不能な動きやマナーの悪さから「車道の邪魔者」とみられてきた。今回の交通ルールの徹底に合わせ、車側も「車道は車のもの」「車が王様」との意識を変える必要がある。
身近な乗り物の自転車の交通違反に対する取り締まりの仕組みが大きく変わりました。
このほか、<安心して自転車で走れない 「車優先」のツケ 道路整備、道半ば>の記事では、「車優先」が続いてきたため、自転車向けの道路整備が道半ばにある状況についてまとめました。
間隔1メートル、速度の規定も
2023年の警察庁のアンケートでは、過去1年間で自転車運転中に車と接触したり、接触しそうになったりした経験がある人の割合は35・7%に上った。接触経験がある人が直前で気になった行為は「隣の車に横から距離を詰められた」が42・1%だった。
また、同じ方向に走る車と自転車との事故のうち、自転車の右側面が接触した事故の割合は22年には5割を超え、増加傾向にある。
自転車側の違反走行も原因の一つだが、反則金導入と同時に1日からは改正道交法で、車が自転車の右側を追い越す際、十分な距離がない時は間隔に応じた安全な速度で進むよう定められた。自転車もできる限り道路の左端に寄って進行しなければならないとも規定された。
車に対して、車道走行する自転車への配慮を求める内容となる。警察庁は3月下旬、自転車との間隔は「少なくとも1メートル程度」との目安を示し、安全な速度は「時速20~30キロ程度」と示した。違反の場合、車側は3カ月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金などが科せられる。
厳罰化ではなく、摘発後の手続きの変更
そもそも自転車は危ない走行をしてはならないことが大前提になる。警察は反則金導入に伴い、取り締まりをどう進めるのか。
3月中旬、東京都江戸川区の交差点で、警視庁の警察官がイヤホンを付けて停車していた自転車の男性に「聞こえますか」と何度か声をかけた。
しかし男性は応答しない。警察官はイヤホンを外すよう促し「パトカーや救急車のサイレンも聞こえないのでやめてください」と注意した。
警察庁によると、4月以降もこうした指導・警告が主流で、悪質性や危険性が高い違反が摘発の対象となる。警察庁幹部は取り締まりについて「一律の基準を示すのは難しく、現場の裁量で個別具体的に判断していくしかない」とするが、厳罰化になるのではなく「基本的な考え方はこれまでと変わらない」と話す。
変わるのは、刑事手続きに進む「赤切符」で摘発されていた違反が青切符に移行し、摘発後の手続きが簡素化される点だという。
多い違反は一時不停止、信号無視
24年に警察が赤切符で摘発した自転車の違反は5万1564件。うち酒酔い運転など引き続き赤切符となるものなどを除くと、少なくとも96・3%の4万9638件が青切符の対象となり得る違反だった。一時不停止2万1833件、信号無視2万1088件の順に多く、この二つで全体の8割を占めた。
赤切符で刑事手続きに進んでも起訴率は数%と低かった。青切符は、車と同様に高い反則金納付率が見込まれ、より実効性ある責任の追及が可能となる。
数十年前から検討されていた制度
警察内部では数十年前から反則金の導入は検討されていたが、ルールの周知が進まない中の制裁には反発も予想された。「今回は悪質な自転車を取り…
この記事は有料記事です。
残り701文字(全文2102文字)