女流。昭和のある時期まで女性作家たちはそう呼ばれた。侮蔑的な意味もあり、今や文壇では死語となった。だが「女流と呼ばれていた時代の人たちが切磋琢磨(せっさたくま)しながら小説を書いてきた事実をなかったことにはできない」と作家の山田詠美さんは言う。
デビュー40周年の節目に発表された新刊『三頭の蝶(ちょう)の道』(河出書房新社)で描くのは、女流という呼び名をプライドに変え、小説を編んだ女たちの物語だ。
同時代に活躍した女性作家3人をめぐる群像劇。3章構成の各章は、それぞれの死にまつわる場面から始まり、編集者や親交のあった作家、親族らの回想から、彼女たちの生きた時間がひもとかれる。山田さんと交流のあった河野多恵子さんや瀬戸内寂聴さん、大庭みな子さんらを思わせる人物が登場するが、物語はあくまでフィクションの形をとる。
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