投資促進か、憲法違反か 首相肝いり複数年度予算 問われる中身
7日に2026年度政府予算が参院本会議で可決、成立したが、高市早苗首相はこれから予算編成そのものの大改革を見据えている。特に意欲を見せているのが、国内投資を活性化するため、政府が複数年にわたる国の財政支出の方向を打ち出す「複数年度予算」だ。合理的な財政運営や民間の投資促進が期待できる一方、憲法は単年度主義の原則をうたっている。憲法に抵触しかねない改革をどう進めていくのか。
単年度主義の弊害 どう打破する?
「圧倒的に足りないのは、資本投入量、すなわち国内投資。その促進に徹底的なてこ入れをする」。高市氏は2月の施政方針演説でこう力説し、経済安全保障上のリスクを最小化する「危機管理投資」や、半導体など先端技術向けの「成長投資」について、「複数年度予算や長期的な基金による投資促進策を大胆に進める」と強調した。
国の予算は毎年度編成し、その年度内に執行する単年度主義が原則だ。しかし、首相は予算を通じて複数年にわたって国が支援の方針を掲げることで、企業が研究開発や設備投資に踏み切りやすくなるとして、複数年度予算にこだわる。確かに複数年度予算が導入されれば、年度末の駆け込みでの予算執行や、長期的な計画が必要な投資の停滞が解消する利点がある。専門家の間でも古くから単年度主義を弊害とみる声があった。
複数年度にわたる支援策は、これまでの政権でも進められた。例えば岸田文雄政権は22年度予算編成の基本方針で「財政の単年度主義の弊害を是正し、科学技術の振興、経済安全保障、重要インフラの整備などの国家課題に計画的に取り組む」と明記。グリーントランスフォーメーション(GX)や人工知能(AI)・半導体の分野では、財源の裏付けのある「つなぎ国債」などを使って実行されてきた。ただ、これも単年度主義の枠内で実施されてきた「苦肉の策」にとどまっている。
「新たな枠組み検討」 いまだ想定レベル
では、高市首相は何をやろうとしているのか。…
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