日本を代表するバレエ団の一つ、東京バレエ団が2027年、フランスのパリ・オペラ座で、日本最古の物語とされる竹取物語を題材とした全幕バレエ「かぐや姫」を上演する。
クロード・ドビュッシーの音楽で、舞踊家の金森穣さんが演出・振り付けした作品を、バレエの本場といわれる欧州に「逆輸出」する。
金森さんと東京バレエ団の斎藤友佳理団長らが9日、東京都内で記者会見し、パリ公演の概要などを明らかにした。
「かぐや姫」は、東京バレエ団のオリジナル作品。世界に暗雲が垂れこめたコロナ禍の21年に産声を上げた。
竹から生まれたかぐや姫が月へ戻るまでの間、恋や信頼していた人からの裏切りなど、人間界でさまざまな経験をして心が変化していく姿を全3幕で紡ぐ。
東京バレエ団は、これまで35回以上の海外公演を行い、日本をテーマにしたオリジナル作品「ザ・カブキ」などを上演してきた。
しかし、今回のパリ公演ではこれまでと大きく異なる点がある。
ドビュッシーの音楽以外は、振り付けや衣装、照明など、製作のすべてを日本人スタッフが担う。
「純日本製の全幕バレエ」を海外で上演するのは、東京バレエ団にとって初めての挑戦となる。
金森さんは記者会見で「日本のバレエもここまで来たんだ」と切り出し、パリ・オペラ座で「かぐや姫」を上演する意義について、力を込めて語った。
「(欧州からの)借り物としてのバレエではなく、『日本のバレエ』として、国際的に日本の舞台芸術を発信していく時代が来る、そんな一助となれば」
斎藤団長も「東京バレエ団、日本のバレエ界にとっても大きな進歩になる」と声を弾ませた。
国内では26年5月5、6の両日、東京文化会館大ホールで上演予定。タイトルロールとなるかぐや姫は、プリンシパルの秋山瑛さんとファーストソリストの足立真里亜さん、相手役となる道児はプリンシパルの柄本弾さんとファーストソリストの大塚卓さんがそれぞれ演じる。
日本公演の問い合わせはNBSチケットセンター(03・3791・8888)。【川島一輝】