特殊詐欺「日本人攻略本」発見 タイ・カンボジア国境の拠点で
毎日新聞
2026/4/17 05:00(最終更新 4/17 14:56)
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「敬称に迷った場合は『さん』を使うべきだ」
「メッセージは分割して送るべきだ」
日本の若者が、東南アジアの特殊詐欺拠点で軟禁状態にされ、犯罪に加担させられるケースが相次ぐなか、日本人をだますための「攻略マニュアル」が詐欺拠点から見つかった。日本人の心理や文化、国民性まで分析した記述からは、犯罪の計画性や組織性の高さがうかがえた。
今月7日にタイ軍が報道陣に公開した。拠点があったのは、タイ東北部スリン県チョンチョム近郊。昨年12月にカンボジアとの国境紛争が激化した際、タイ軍が攻撃して掌握した。
計約160棟の建物があり、軍は中国人が管理していた可能性があるとみている。1万人以上が働いていたと推定されているが、軍の侵攻前に全員逃亡した。
日本語のマニュアルでは、詐欺の手口だけでなく、日本の独身率の高さや社会保障の充実度、高齢者の年金制度などを解説。東京都港区を「富裕層エリア」と紹介し、「10人に1人を企業経営者が占める」などと説明していた。
メッセージでのやりとりについては、「日本人はシンプルを好む」などと指摘し、「長文を避け、分割して送るべきだ」などと指南。返信が途絶えた場合は「文章が長すぎなかったか見直すべきだ」とも記されていた。
東南アジアでは当局の管理が及びにくい国境地帯に多数の特殊詐欺の拠点があるとされる。国連の報告書では、その数は数百に及ぶと指摘されている。【バンコク国本愛】