あいさつ無視 既読スルー パワハラ未満の「インシビリティ」?

神奈川県立保健福祉大大学院の津野香奈美教授=神奈川県内で2026年3月30日、菅沼舞撮影
神奈川県立保健福祉大大学院の津野香奈美教授=神奈川県内で2026年3月30日、菅沼舞撮影

 会議やグループチャットで発言しても、自分だけがスルーされる。あいさつを無視される。会話中も視線はパソコンやスマートフォンの画面に向いたまま――。

 パワハラとまでは言えないけれど、なんだかモヤモヤする。それは「インシビリティ」かもしれない。

 パワハラや上司のリーダーシップを研究する神奈川県立保健福祉大大学院の津野香奈美教授(社会疫学)に、詳しく聞いた。

 ――インシビリティとはどのようなものですか?

 ◆パワハラには当てはまらないけれど、相互尊重に反する無礼な行動を指します。例えば「舌打ちする」「話しかけても、こちらを見ない」「にらみつける」などがあります。

 会議中の「内職」も相手の話を聞く意思がないことを示しているので、注意が必要です。「派遣さん」「○○ちゃん」など、特定の人だけ呼び方を変えることも該当します。

 ここ2~3年ほどで知られるようになった概念です。

 ――なぜでしょうか。

 ◆企業にパワハラ対策を義務付けた改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)が2022年に全面施行された影響が大きいです。明確にパワハラの定義に当てはまる行動には対処できるようになったのですが、そうでない行動は逆に野放しになってしまっています。

 職場環境の改善の一環で、人事労務担当者の間で認知度が少しずつ上がっています。インシビリティは組織や人に与えるダメージが大きく、離職につながるリスクもあり…

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