本物そっくり? 「高精細」技術で国宝を再現 福島で企画展
葛飾北斎、尾形光琳といった日本を代表する絵師の国宝級の作品を、キヤノン(東京都)が持つ最先端のデジタルイメージング(画像化、視覚化)技術で忠実に再現した「高精細複製品」の企画展「国宝・名宝が福島にやってくる!?」が18日~5月31日に福島市写真美術館「花の写真館」(同市森合町)で開催される。入場無料。【錦織祐一】
キヤノンは文化財の継承を目指すNPO法人「京都文化協会」(京都市)と2007年から「綴(つづり)プロジェクト」に取り組んでいる。海外に渡るなどして鑑賞の機会が限られている国宝級の作品を高精細デジタルカメラで撮影し、現場で出力して原本と比較し色合いを調整。和紙や絹本に印刷し、京都の伝統工芸士が経年変化なども加味して、金箔(きんぱく)や、金粉をにかわで溶いた金泥を忠実に再現する。
高精細複製品の評価が高まったことから22年の山形・米沢市上杉博物館を皮切りに各地で企画展を開いている。子会社「福島キヤノン」(福島市)がプロジェクトで使用する高密度プリントヘッドを生産しており、23年に福島市で企画展を開催して今回が2回目。
今回は、県立美術館で「大ゴッホ展」が開催されていることから対比として日本を代表する絵師6人の高精細複製品を紹介する。
安土桃山時代のライバルと称された狩野永徳と長谷川等伯、江戸時代の琳派(りんぱ)の巨匠でも作風が異なる俵屋宗達と尾形光琳の作品を比較展示する。米ワシントンのスミソニアン国立アジア美術館が所蔵する葛飾北斎の「十二ケ月花鳥図」はプロジェクションマッピングを投影。菱川師宣の「見返り美人図」に来場者が写り込んだ記念撮影ができるなど、複製品ならではの鑑賞体験も提供している。
17日にはオープニングセレモニーと内覧会があり、福島キヤノンの谷本学社長は「国宝を限りなく忠実に再現した印刷技術の一部を、この地が担っている。社員の技術が日本文化の継承に役立ってうれしい」とあいさつした。