米上院銀行委員会は21日、トランプ大統領が連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長に指名したウォーシュ元理事の承認を巡る公聴会を開いた。大幅な利下げを求めてトランプ氏が露骨に圧力をかける中、ウォーシュ氏は「金融政策の独立性は不可欠だ」と強調。トランプ氏の操り人形になるのではないかとの見方に対し、「断じてない」と否定した。
景気浮揚効果を狙って利下げを志向するトランプ氏は1月、「利下げに前向き」としてウォーシュ氏を次期議長に指名した。このため、「経済情勢を踏まえずに過度な利下げを推進するのではないか」との疑念がつきまとっている。ウォーシュ氏は政治からの独立を尊重すると何度も説明し、これまでトランプ氏から「金利について事前に決定や約束を求められたことは一度もない」と明らかにした。
一方、トランプ氏の怒りを買わないような配慮もにじませた。トランプ氏はFRBの政策金利(3・5~3・75%)を1%を下回る水準まで引き下げるべきだと主張している。こうした見解に同意するか繰り返し問われても回答せず、トランプ氏との決定的な対立を回避した。
公聴会はFRB議長就任に向けた手続きの一つ。就任には上院の承認が必要だが、与党・共和党の一部議員が反対に回る姿勢を示している。上院は与野党の議席が小差のため、承認の見通しは立っていない。現職のパウエル議長の任期は5月15日に期限を迎えるが、ウォーシュ氏の就任が間に合わない事態が現実味を帯びつつある。
パウエル氏は議長の任期満了後も、FRB理事の任期が2028年1月まで残っている。ウォーシュ氏の承認が遅れた場合、「暫定議長」としてFRBを率いる考えを示している。【ワシントン浅川大樹】
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