友人宅、ネカフェ、車中泊…路上以外に広がる見えないホームレス
公園や河川敷、駅などで生活する「ホームレス」の人たちをあまり見かけなくなりました。実際、厚生労働省の調査によると、2025年の人数は03年の10分の1にまで減っています。でも、不安定な仕事から抜け出せず、その日暮らしをする人は今なお後を絶ちません。最近は物価高も追い打ちをかけています。「家がない」人たちの問題は、本当に解決に向かっているのでしょうか。記者が質問に答えます。【田中理知】
<主な内容>
・国の調査対象は「路上生活者」
・路上生活者が減った理由
・寝泊まりする場所、選択肢が多様化
・影響大きい不安定雇用
・「ハウジングファースト」ではあるが…
・急がれる実態把握
国の調査対象は「路上生活者」
Q そもそも「ホームレス」とはどういう人たちのことを指しますか?
A 02年に施行されたホームレス自立支援特別措置法では、「都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場所とし、日常生活を営んでいる者」と定義しています。いわゆる路上生活者のことで、厚労省はこの定義に当てはまる人たちを調査対象にしています。
Q 路上生活者はどのくらい減っているのですか?
A まず、路上生活者はバブル崩壊後の1990年代前半から、日雇い労働市場の縮小などが原因で増えたとされています。03年1~2月時点で全国に2万5296人いましたが、その後は減り続け、25年1月時点では2591人と過去最少を更新しています。
路上生活者が減った理由
Q どうしてそんなに減っているのでしょうか?
A 受け皿となる施設が増えたことや、リーマン・ショック(08年)を機に生活保護の運用が改善されたことなどが考えられます。生活に困っている人に向けた就労支援や住まいの提供に取り組む一時宿泊所・施設の取り組みなどが実を結び、新たに路上生活者になる人も減っています。
Q 生活に困る人たちが減っているということですね。
A 実はそうとも言えないのです。…
この記事は有料記事です。
残り1596文字(全文2410文字)