「右足くん、左足くん、ありがとう」 人工関節の現在地

左足が変形性膝関節症の70代女性=中島康晴・九州大病院長提供
左足が変形性膝関節症の70代女性=中島康晴・九州大病院長提供

 充実した生活には、痛みなく元気に動けることが欠かせない。超高齢社会の日本では要介護・要支援の人が増えており、その4分の1は骨折や転倒などによる運動器障害が原因だ。動ける喜びを支える関節治療の最前線に迫った。

就寝時もあった痛みは…

 「おかげ様で『まあ、歩いてる‼』なんていわれています。右足くん、左足くん、ありがとうと思ってすごしています」

 2025年12月、中島康晴・九州大病院長(整形外科)の元に、患者から治療後の様子を伝えるはがきが届いた。

 送り主は福岡県の70代女性。3年前、左右の股関節の軟骨がすり減り、痛みが生じる「変形性股関節症」と診断された。歩行時だけでなく、寝ていても痛みで起きてしまうまで悪化していた。そこで、人工関節に置き換える手術に踏み切った。

 手書きの文面に歩ける喜びがにじみ出ている。中島病院長は「痛みを取って患者さんの笑顔を取り戻すこと、これこそ整形外科医の醍醐味(だいごみ)だと思いました」と振り返る。

 人工関節が登場したのは20世紀半ばにさかのぼる。当時は…

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