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毎日新聞朝刊1面の看板コラム「余録」。▲で段落を区切り、日々の出来事・ニュースを多彩に切り取ります。

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明治期には「様子の報告」程度の意味だったらしい…

衆院内閣委員会の国家情報会議設置法案の質疑で中道改革連合・長妻昭氏の質問に挙手する高市早苗首相(手前)。奥は木原稔官房長官=国会内で2026年4月17日午前10時16分、平田明浩撮影 拡大
衆院内閣委員会の国家情報会議設置法案の質疑で中道改革連合・長妻昭氏の質問に挙手する高市早苗首相(手前)。奥は木原稔官房長官=国会内で2026年4月17日午前10時16分、平田明浩撮影
外国の諜報、宣伝、謀略遮断のため、防諜週間には防諜講演会、防諜アドバルーン、懸垂幕掲示などを行った=1942年(昭和17年)7月 拡大
外国の諜報、宣伝、謀略遮断のため、防諜週間には防諜講演会、防諜アドバルーン、懸垂幕掲示などを行った=1942年(昭和17年)7月

 明治期には「様子の報告」程度の意味だったらしい。第一次大戦で欧州各国の戦時情報機関の重要性が認識され、英語のインテリジェンスと密接に結びついて「諜報(ちょうほう)」の同義語として使われ始めた……▲小学館の日本国語大辞典が「情報」の意味の変遷について定評ある「語誌」で解説している。昭和初期に内閣に情報委員会が置かれ、情報部、情報局と組織を拡大する中で人々の耳目にとまるようになったそうだ▲より一般的なインフォメーションと緊密に結びついたのは戦後という。平和憲法の下で諜報的な意味合いで使われることが少なくなり、こちらが定着したのだろうか▲戦後80年を過ぎて生まれる「国家情報会議」はどんな役割を果たすのか。設置法案が衆院を通過した。個人情報やプライバシーの保護、政治的中立性の確保などを盛り込んだ付帯決議を条件に野党の多くが賛成に回った▲高市早苗首相が進めるインテリジェンス機能強化に向けた第一歩で「情報収集・分析」の司令塔の位置づけだ。民主国家の多くが似た機関を持つが、扱うのは単純な「情報」ではない。言葉としては「諜報」の同義語とされた戦前に戻るようでもある▲戦後の日本が持ってこなかった対外諜報機関やスパイ防止法も視野にあるという。だが、「秘密」がつきまとう諜報活動は「公開」が原則の民主制度と元来、相性が良くない。民主国家にふさわしい組織や法が作れるのか。「高市流」のスピード重視ではなく、十分な熟議が必要なテーマである。

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