「障害者で金もうけ、エグいって」 不正受給への怒りと募る不安
毎日新聞
2026/4/26 12:00(最終更新 4/29 21:33)
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真新しいスーツに身を包んだ若者らが街を行き交う。
期待に胸を膨らませたり、緊張で顔をこわばらせたり。それぞれが門出を迎えている。
そんな時期に、障害がある男性は勤務先の福祉サービス事業所が閉鎖することになり、働き口を失った。
事業所を運営する会社が、グループ内で総額約150億円もの不正受給をしていたと判断されたからだった。
しかも、資金を不正に受け取るための「駒」に自分がされていた。
希望の春のはずなのに。男性はうめく。
「障害者を金もうけの手段にするなんて。エグいって……」
40代の男性は10代の頃に精神疾患を患った。意図せず気分が高揚したり、必要以上に落ち込んだりする症状に悩まされている。
大学卒業後に日雇いの仕事を転々としたが、心身の不調に悩まされることも多かった。
独自の「36カ月プロジェクト」
「お金を稼ぎつつ、ゆくゆくはフルタイムで働けるようになれたら」
そんな思いから2025年夏、大阪市内にある「就労継続支援A型事業所」に通い始めた。
利用する障害者に働く機会を提供したり、一般企業などへの就職に必要な訓練をしたりする施設。市内に本社を置く福祉関連会社「絆ホールディングス(HD)」の傘下企業やNPOが運営する事業所の一つだった。
ここで事業所側から提案されたのが「36カ月プロジェクト」という独自の就労支援方針だった。
プロジェクトについて、絆HDはこううたっていた。
「一般企業への就職を目指す過程で困難が生じた場合にはA型事業所の利用に戻って再度挑戦できる仕組みです」
事業所を利用する障害者か。
それとも、事業所で働く障害者か。
この立場の…
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