「外出時はスーツ」ルール廃止 長崎県警察学校の校則緩和進む
長崎県警が警察学校の校則見直しを進めている。採用試験の受験者数が低迷しているからだ。外出するだけなのに「スーツ着用」といったルールがあり、若手からも「厳しい」との声が上がっていた。
県警の採用試験の受験者数は2015年度の822人から、25年度には319人に減少。受験倍率も15年度の5・6倍から25年度は2・2倍に低下した。県警は交流サイト(SNS)でワーク・ライフ・バランスの取れた働き方を発信してきたが、効果が出ていないとみる。
このため見直したのは、採用後に寮生活を送る警察学校の初任科生の校則だ。高卒は約10カ月、大卒は約6カ月、基礎を学ぶ。
例えば、休日に買い物や帰省などで警察学校を出る際にもスーツを着なければならない▽平日は私用の携帯電話を教官室に預け、授業が終了しても使用できない▽休日の外泊は実家か親族宅に限られ、ホテルや知人宅には宿泊できない▽男子の髪形はスポーツ刈り――などのルールがあった。
25年夏、在校生に実施したアンケートでは「近場の外出なのにスーツは厳しい。校則を緩めてほしい」などの声が上がった。
県警は、こうした校則を同年9月から段階的に緩和。外出時の服装でみると、短パンやジーパン、サンダルは「NG」だが、スーツ着用のルールはなくなった。
警察学校幹部によると、校則は社会変化に合わせて変わってきたが、外出時のスーツ着用は30年以上維持されていた。「過去にない大胆な見直しだ。少しでも受験のハードルが低くなってほしい」と話した。
今月には、採用戦略を話し合う新たなプロジェクトチームが立ち上がった。若い世代への情報発信に力を入れる。
県警本部の全ての部と一部の署から20~50代の24人を抜てき。各部署の魅力や人材のニーズをくみ取り、若い世代に響く情報発信のあり方を話し合う。9月をめどに意見集約を目指す。
前田勇太本部長は県警で22日にあった発足式で「優秀な人材を一人でも多く確保できるよう期待する」と訓示。リーダーを務める人材育成室の蒲川(かもがわ)宗平室長は「休めない、体力勝負などの警察のネガティブなイメージを払拭(ふっしょく)できるよう、少しとがった情報発信にも取り組みたい」と語った。【添谷尚希】