1台の運転が左右することも…渋滞を緩和するテクニックとは?

行楽地から戻る車などで混雑する九州自動車道=福岡県筑紫野市で2025年5月5日午後6時20分、金澤稔撮影
行楽地から戻る車などで混雑する九州自動車道=福岡県筑紫野市で2025年5月5日午後6時20分、金澤稔撮影

 大型連休になると、高速道路のあちこちで起こるのが交通渋滞だ。車が前に進まず、イライラした経験があるドライバーは少なくないだろう。

 しかし、ちょっとした心がけで、渋滞を緩和する運転テクニックがあるという。

 自分だけ実践しても効果があるのかと疑問に思うかもしれない。しかし、「渋滞学」の専門家によると、たった1台の運転が渋滞を緩和したり、逆に渋滞を引き起こしたりすることもあるという。

 運転時に注意するポイントから、同乗者も協力できるイライラへの対処法まで、スムーズな車移動のコツを探った。

  <主な内容>
 ・年齢を重ねるほどイライラ
 ・渋滞が起こる条件とは
 ・渋滞緩和の運転テクニック
 ・同乗者にできること
 ・車内のストレス発散方法

「損をする」運転とは?

 渋滞に巻き込まれるとイライラするドライバーの割合は、年齢を重ねるほど増えるというデータがある。

 日本トレンドリサーチとグーネット中古車が2022年に実施したアンケート調査では、30代以下の66%が「イライラしてしまう」と答えたのに対し、40代は73・3%、50代は74・7%、60代以上は76・7%を占めた。

 イライラで気が焦ると「少しでも先に行こう」と車間距離は詰まりがちになる。合流車線の車をかたくなに入れようとしなかったり、何度も車線変更をしたりする車も出てくる。

 「『急がば回れ』ということわざは正しい。こうした運転は悪循環を生み、周りも自分も損をすることになります」

 東京大大学院工学系研究科の西成活裕教授が教えてくれた。数理物理学を使い、車や人、モノの流れについて研究する「渋滞学」の専門家だ。

 「損をする」とは、どういうことなのか。

気づかず減速する「サグ部」

 まずは渋滞のメカニズムから確認したい。

 高速道路で起きる渋滞の約7割は、交通集中による自然渋滞だとされる。

 多くが、緩やかな上り坂か、下り坂から上り坂に切り替わる「サグ部」と呼ばれるところで起きる。ドライバーが気づかないうちに車が減速し、それに反応して後ろの車が次々とブレーキを踏む。十数台続くと、最後は停車する。

 西成教授の研究では、車間距離が40メートル以上あるかどうかで、後ろを走る車へのブレーキの伝わり方が変化することが分かった。「40メートル以上を保っておけば、多少ブレーキを踏んでも後ろに強く伝わらず、渋滞にはなりにくいです」

 つまり「早く前に行きたい」と車間距離を詰める運転が、かえって渋滞を悪化させ、目的地への到着を遅らせる可能性があるというのだ。

「1台でも」できる渋滞緩和

 車間距離を40メートル以上空ければ、ブレーキの連鎖を断ち切ることができる。だが、既に渋滞している中で距離を空ければ、隣の車線の車に割り込まれやすくなるだろう。自分だけが実践したとして、効果はあるのだろうか。

 西成教授は「1台でも渋滞を緩和する…

この記事は有料記事です。

残り1799文字(全文2981文字)

あわせて読みたい

この記事の筆者

アクセスランキング

1時間
24時間
SNS

スポニチのアクセスランキング

1時間
24時間
1カ月