大型連休になると、高速道路のあちこちで起こるのが交通渋滞だ。車が前に進まず、イライラした経験があるドライバーは少なくないだろう。
しかし、ちょっとした心がけで、渋滞を緩和する運転テクニックがあるという。
自分だけ実践しても効果があるのかと疑問に思うかもしれない。しかし、「渋滞学」の専門家によると、たった1台の運転が渋滞を緩和したり、逆に渋滞を引き起こしたりすることもあるという。
運転時に注意するポイントから、同乗者も協力できるイライラへの対処法まで、スムーズな車移動のコツを探った。
<主な内容>
・年齢を重ねるほどイライラ
・渋滞が起こる条件とは
・渋滞緩和の運転テクニック
・同乗者にできること
・車内のストレス発散方法
「損をする」運転とは?
渋滞に巻き込まれるとイライラするドライバーの割合は、年齢を重ねるほど増えるというデータがある。
日本トレンドリサーチとグーネット中古車が2022年に実施したアンケート調査では、30代以下の66%が「イライラしてしまう」と答えたのに対し、40代は73・3%、50代は74・7%、60代以上は76・7%を占めた。
イライラで気が焦ると「少しでも先に行こう」と車間距離は詰まりがちになる。合流車線の車をかたくなに入れようとしなかったり、何度も車線変更をしたりする車も出てくる。
「『急がば回れ』ということわざは正しい。こうした運転は悪循環を生み、周りも自分も損をすることになります」
東京大大学院工学系研究科の西成活裕教授が教えてくれた。数理物理学を使い、車や人、モノの流れについて研究する「渋滞学」の専門家だ。
「損をする」とは、どういうことなのか。
気づかず減速する「サグ部」
まずは渋滞のメカニズムから確認したい。
高速道路で起きる渋滞の約7割は、交通集中による自然渋滞だとされる。
多くが、緩やかな上り坂か、下り坂から上り坂に切り替わる「サグ部」と呼ばれるところで起きる。ドライバーが気づかないうちに車が減速し、それに反応して後ろの車が次々とブレーキを踏む。十数台続くと、最後は停車する。
西成教授の研究では、車間距離が40メートル以上あるかどうかで、後ろを走る車へのブレーキの伝わり方が変化することが分かった。「40メートル以上を保っておけば、多少ブレーキを踏んでも後ろに強く伝わらず、渋滞にはなりにくいです」
つまり「早く前に行きたい」と車間距離を詰める運転が、かえって渋滞を悪化させ、目的地への到着を遅らせる可能性があるというのだ。
「1台でも」できる渋滞緩和
車間距離を40メートル以上空ければ、ブレーキの連鎖を断ち切ることができる。だが、既に渋滞している中で距離を空ければ、隣の車線の車に割り込まれやすくなるだろう。自分だけが実践したとして、効果はあるのだろうか。
西成教授は「1台でも渋滞を緩和する…
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