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私立・国立中の受験者数が首都圏で過去最多に。少子化が進む中、受験熱は地方にも広がっています。

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令和のリアル 中学受験

止まらぬ怒りスイッチ 中学受験は「心の傷」残した? 母の反省

リビングに置かれた翔太さん(仮名)の机。塾の先生から子ども部屋にこもらせず家族の目の行き届くところで勉強するようアドバイスされた=2026年3月14日午後2時25分、太田敦子撮影
リビングに置かれた翔太さん(仮名)の机。塾の先生から子ども部屋にこもらせず家族の目の行き届くところで勉強するようアドバイスされた=2026年3月14日午後2時25分、太田敦子撮影

 「いつになったらやるつもり?」

 感情が爆発し、いけないと思いつつも言葉が止まらない。まるで怒りのスイッチが入ってしまったようだ。長男はいつもじっと黙ったままだった。

 中学受験を乗り越えた今、長男は楽しそうに部活動に励む。それでも母の森香織さん(46歳、仮名)は時折、「心に傷を残してしまってはいないか」と不安になる。

 子どもがなかなか勉強に集中しない。成績が思うように伸びない――。子どもの中学受験に伴走する親にとって、イライラと焦りはつきものだ。

 今も香織さんは長男に怒りをぶつけてしまった後悔を抱えているが、これから中学受験に挑戦する次男に対しても感情を抑えられる自信がない。普段は明るく穏やかな香織さんを、何がそこまで追い詰めてしまったのだろうか。

  <主な内容>
 ・遅かった中受のスタート
 ・怒りのスイッチが入る瞬間
 ・長男が進んだ道は?
 ・次男の伴走で誓ったこと
 第34部「令和のリアル 中学受験」は4月28~30日に公開します。
 28日公開 ママ友もうらやむ ほぼ塾なしで都立中合格 家庭学習のコツは?
 30日公開 中学受験で「成功」の兄と「失敗」の弟 子育て終えた母の答えは

のんびり長男のスロースタート

 千葉県市川市の会社員、森香織さんの長男翔太さん(13歳、仮名)が中学受験を決めたのは、小学5年生の夏休み明けだった。

 通っていた公立小では、受験する児童はクラスで毎年数人程度だ。香織さん夫婦は以前から翔太さんに、地元の公立中か受験か、選ぶことができると伝えてきた。

 仲のいい幼なじみが受験することを知り、自分も受けたいと言い出したのは翔太さんが5年生に上がってからだった。通っていた近所の学習塾の先生に相談し、夏休み明けから本格的な受験勉強をスタートさせた。

 多くの進学塾や通信講座では、中学受験のカリキュラムのスタートラインは小学3年生の2月、つまり新4年生が一般的とされる。5年生後半はかなり遅いスタートだ。

 のんびりしてマイペースな翔太さんの性格を考慮して大手塾は選ばず、これまでの学習塾のクラスを個人指導に切り替えて臨むことにした。

止まらぬ怒りのスイッチ

 6年生の春過ぎ、香織さんは学校見学に足を運び始めた。最初は活を入れるつもりでレベルが高めの学校を目指した。しかし肝心の成績は箸にも棒にもかからない。

 翔太さんは「スーパーポジティブ」な面がある。

 得意な算数でいい点数が取れなければさすがに落ち込むが、もともと苦手な国語などの場合は…

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