ぼうこうがん、術後薬剤不使用も再発なく 国立がんセンターなど

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 国立がん研究センターなどは28日、ぼうこうがんの内視鏡手術でがん細胞を全て取り切ったことが確認された場合、再発予防が期待できるとの結果を発表した。薬剤を注入する従来の治療法では血尿や尿路痛などの副作用があるため、術後の不利益をなくせるという。

 ぼうこうがんの治療は、粘膜を越えているものの、粘膜下層でとどまっている場合は、内視鏡での切除が実施される。下層を越えて筋層より先に達している場合には、ぼうこうの摘出となる。

 従来の内視鏡手術では、2度の切除を経て、がん細胞が残っていないことが確認されると、再発予防の目的でBCG(結核予防ワクチン)をカテーテルでぼうこう内に注入していた。しかし、副作用があることに加え、効果も明確でなかった。

 研究チームは全国の43医療機関で、BCGを週1回計8回注入する133人と、注入しない130人を長期間調べた。すると、注入しなくても5年間再発なく過ごせた割合は86・5%で、注入した群と比べても結果に遜色はなかった。副作用では、血尿や頻尿、尿路痛の全てで、注入しない方が発生率は低かった。

 既に一部の病院では注入しない選択が可能になっている。今後、診療ガイドラインに盛り込まれ、標準治療として位置付けられる可能性がある。

 チームの北村寛・富山大教授(腎泌尿器科学)は「再発だけでなく、生存期間にも差はなかった。BCGが不要になれば、患者の治療の負担が(身体的にも時間的にも)減り、生活の質の向上につながる」と話した。

 成果は泌尿器科の専門誌に掲載された。【渡辺諒】

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