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岩手・大槌の山林火災 急がれる鎮圧と住民支援

山の斜面でくすぶる炎。岩手県大槌町で起きた山林火災は、平成以降では国内2番目の焼失面積となった=同町で2026年4月27日、西夏生撮影 拡大
山の斜面でくすぶる炎。岩手県大槌町で起きた山林火災は、平成以降では国内2番目の焼失面積となった=同町で2026年4月27日、西夏生撮影

 消火を急ぐとともに、避難生活を送る住民らの支援に全力を挙げなければならない。

 岩手県大槌町で山林火災が発生して1週間がたった。町内の2カ所で火が広がり、焼失面積は東京ドーム約350個分に当たる1633ヘクタールに及ぶ。平成以降では国内2番目の規模となった。

 各地から駆けつけた消防の援助隊や地元消防、自衛隊が地上と空から消火活動を続けている。雨が降った効果もあり、町は「深刻な局面は脱した」としているものの、鎮圧には至っていない。

 大規模火災となったのは複数の要因が重なったからだ。

 出火した日は乾燥と強風の注意報が出ていた。リアス式海岸特有の急峻(きゅうしゅん)な地形は上下に火が広がりやすく、強い風が吹くことも多い。針葉樹林のマツやスギは油分を多く含み、風にあおられた火が一気に拡大した可能性がある。

 町民の3割に当たる3257人に避難指示が出された。避難所の建物に火が迫り、別の場所に移転を余儀なくされた人もいる。煙による健康被害も懸念される。環境の変化に弱い高齢者らの体調悪化を防ぐため、目配りが大切だ。

 三陸沖を震源とする地震に伴い27日まで出された後発地震注意情報とも時期が重なった。地震と津波の不安に加え、火災に見舞われた住民の心労は計り知れない。

 山林火災は例年、空気が乾燥して強風の吹く2~5月に多く発生する傾向がある。

 昨年2月に岩手県大船渡市で起きた火災では約3370ヘクタールが燃え、死者も出た。今年も山梨県や福島県で火災が発生し、避難指示が出されている。各地で警戒が求められる。

 一度燃え広がると消し止めるのは難しい。予防意識を高めることが肝要だ。多くがたき火や野焼きなど人為的な要因で起きている。

 屋外で火を使った時は完全に消火し、風の強い日は使用を控えるなどの注意が欠かせない。自治体が林野火災警報や注意報を発令する取り組みを始めており、周知を徹底すべきだ。

 大規模な山林火災は米ロサンゼルスをはじめ世界各地で起きている。背景には地球温暖化といった構造的な問題も指摘されており、対策を強める必要がある。

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