刻みつけた戦争と平和 日本の戦前回帰を危惧した孤高の版画家

三重県立美術館に収蔵された久保舎己さんの版画「本当に心が痛むんだよ」(1999年)。つらいことがあった時の自身の姿を描いたとみられる(同館提供)
三重県立美術館に収蔵された久保舎己さんの版画「本当に心が痛むんだよ」(1999年)。つらいことがあった時の自身の姿を描いたとみられる(同館提供)

 戦争の悲惨さや平和、命の大切さなどをテーマにした作品で知られ、2023年10月に75歳で亡くなった津市の版画家、久保舎己(すてみ)さんの版画計30点が、三重県立美術館に収蔵された。同館は9月8日~12月27日、収蔵した全点の展示を計画している。

 久保さんは生前、名声や金銭的価値には無関心だった一方で、自身の思いを表現した作品をより多くの人に見てもらうことを重視していた。久保さんの妻・文世さん(78)は「舎己さんの作品の思いや精神を多くの方にご覧になっていただけることを、心より喜んでおります」と話している。

独学で木版画、関係者から高い評価

 久保さんは、1975年ごろから独学で木版画を始めた。生前は一貫して芸術団体に所属せず、賞を得ることにも興味がなかったため、芸術界では知る人ぞ知る孤高の存在だった。しかし、内…

この記事は有料記事です。

残り938文字(全文1297文字)

あわせて読みたい

この記事の筆者

アクセスランキング

1時間
24時間
SNS

スポニチのアクセスランキング

1時間
24時間
1カ月