異色の経歴、受け入れてくれたウルド名古屋へ……上林直澄の思い
バレーボールSVリーグ男子のウルフドッグス名古屋が4月下旬に発表した今季限りでの退団選手の中に、その名前はあった。
上林直澄選手(27)。大学卒業後、一度競技から離れた異色の経歴のセッターだ。
5月1日から始まるレギュラーシーズン上位6チームによるプレーオフ「チャンピオンシップ」が、名古屋の一員として臨む最後の大会となる。自分にチャンスをくれたチームへの恩返しのため、献身を誓う。【玉井滉大】
順風満帆も一転「コロナに狂わされた」
今季、レギュラーになることができず、出場機会は限られた。それでも、チームのために何ができるかを考え、行動し続けた。
「限られたチャンスの中でしっかりと結果を出す準備をしてきた自負はあります。年齢的にも真ん中ぐらいなので、先輩とも後輩とも外国人選手とも、練習中も、それ以外でもよくコミュニケーションを取ってきました」
プレー中も笑顔を絶やさず、チームの潤滑油となることで、チームの雰囲気作りに貢献してきたという。
そのバレー人生を振り返ると、高校、大学時代の途中までは順調だった。
2011年の全日本高校選手権(春高バレー)で東京・東亜学園高を優勝に導いた司令塔・山本湧さん(元サントリー)の攻撃的なスタイルに憧れ、セッターを志した。
山本さんの背中を追って進んだ東亜学園高では、3年時から先発でセッターを務めるようになり、春高バレーの準優勝に貢献した。
関東大学1部リーグの明治大でも、下級生の頃から正セッターとして活躍した。
卒業後は当時のトップリーグだったVリーグ(現SVリーグ)で競技を続けたいと考えていた。
しかし、20年春、4年生のシーズンが始まる直前、新型コロナウイルスの感染が拡大した。
春季リーグ戦などの公式戦が次々と中止になり、先の見えない日々が続いた。
競技への意欲は、次第に失われていった。
「そこで正直、…
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