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今読むべき一冊(その5)=町田樹/67

国学院大准教授の町田樹さん=東京都千代田区で2026年4月2日、後藤由耶撮影
国学院大准教授の町田樹さん=東京都千代田区で2026年4月2日、後藤由耶撮影

ジャン=ノエル・ミサ他編「ドーピングの哲学――タブー視からの脱却」(新曜社)

 今月下旬、米国のラスベガスで、いよいよドーピングを容認するスポーツの競技会が開催される。「エンハンスト・ゲームズ」(強化されたゲーム)と名付けられたその競技会では、競泳、陸上、重量挙げの3競技が実施され、現時点で総勢50人のアスリートが世界中から参加予定だ。

 この大会の出場者には、規制当局によって承認されている(反ドーピング規定には違反しているが違法ではない)、ステロイド系筋肉増強剤などのパフォーマンス向上効果を持つ薬物を、医師の管理や指導のもとで摂取し、競技に臨むことが求められている。つまり、強化された心身でどれだけ高いパフォーマンスを発揮できるか、そして、科学や医学はどれほど人間を強化できるか、ということに挑む大会なのである。

 言うまでもなく、ドーピング撲滅運動に取り組む国際オリンピック委員会(IOC)や世界反ドーピング機関(WADA)を筆頭に、大多数のスポーツ関係者は、こうしたエンハンスト・ゲームズに対して、選手の健康を害する危険性があることと、クリーンで公正なスポーツの価値をおとしめることの2点を主な理由として挙げ、断固反対の立場をとっている。

 しかしながら一方で、選手の健康に害がなければ摂取してもよいのか。はたまた、私たちはすでにパフォーマンス向上を目的としてプロテインやエナジードリンクなどを日常的に摂取しているが、こうした行為はどこまでがフェアプレーとして容認されて、どこからがインチキとして非難されるドーピングとなるのか、その線引きは…

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